子供の頃から地図を見るのが大好きだ。
範囲縮尺は問わず、世界地図だろうが日本地図だろうが町内地図だろうが、およそ地図と名の付くものなら何でも好きで、地図を見ていると、勝手に頭の中に風景が浮かび、ついつい時間の経つのを忘れてしまうよね。え、そんなことない?そんなバカな!
それどころか地図だけでご飯何杯もイケル・・・かも?…いや、本気で今度試してみよう、ってくらい好きなのよ♪
なもんで我が家のトイレには、座ると目の前にドーンと世界地図と日本地図が貼ってある。だからついついうんこも長居してしまうのだ。
ところで最近、九州は宮崎出身の人と知り合った。そう、「どげんかせんと」の宮崎。
色々と話をして、もちろん俺は鉄道好きでさ~なんて話もしたのね。
そしたら彼はこう言った。
「僕、子供の頃電車乗った事なくて、初めて乗ったのって修学旅行の新幹線なんですよ」
・・・え!?ビックリした。
もちろん宮崎に鉄道が走っていないなんてわけはなく、日豊本線という立派な幹線が通っていて、かつてはリニアモーターカーの実験線なんていう最新鋭の施設すらあった。
とはいえ確かに地元の人にとってみたら、主な移動手段は車か自転車で、1時間に1本もないような汽車なんて、今となってはかえって不便なのかもしれないな。
そんな大きなカルチャーショックを受けていたある日の事、いつものようにトイレで何気なく世界地図を眺めていたら、ある国が目に留まった。
昔から紛争の絶えない不幸な歴史をたどって来た国である。なぜ目に留まったかというと、この国・・・鉄道がない。
周囲のパキスタンやタジキスタン、ウズベキスタンにトルクメニスタンといういわゆる「なんとかスタン」の国々にはみな鉄道が走ってはいるが、それがすべてアフガニスタンの国境手前で止まっているではないか!
これってもしかしたら有名な話なのかもしれないが、俺にとっては大きな新発見だった。
「鉄道のない国」か・・・想像もつかないね。
しかし鉄道好きの俺にとって、その「鉄道のない国」という事実が逆にひどく興味をそそられ、アフガニスタン以外にもあるのかどうか、周囲を調べてみた。
するとその周囲には、アラビア半島にいくつかあった。まあ当然砂漠がほとんどを占めるこの地域では鉄道なんて敷けないのかもね。
その国とはイエメン、カタール、アラブ首長国連邦、そしてオマーン。
・・・・・オマーン?
ここで大きな疑問が頭をもたげてしまった。
昔からよくネタで言われる、「オマーン国際空港」(大きな声で読んでみよう)ってほんとにあるの???
かつて社会科の地図帳の、キンタマーニやエロマンガ島にグリグリ丸をつけていた(みんなもそうだよな?)俺は、当然今度は鉄道そっちのけで、こっちが気になって仕方がなくなってしまった。
んで調べてみた。俺もヒマだ。
結論から言うと、「オマーン国際空港」は存在しないらしい。
オマーンの首都マスカットにある「シーブ空港」が国際空港の役割を果たしているそうだ。
う~ん、残念!!!(何が?)
まあ確かに日本でも成田空港を「日本国際空港」とは言わないもんなぁ。かといって千葉にあるこれを「新東京国際空港」と呼ぶのもなんかヘンなのではあるが。
とはいえオマーンの首都がマスカットっていうのも、今度は金太が大冒険にやってきそうでなかなかこれはこれで味わい深いよね。
なにかと楽しいネタを提供してくれるとっても気になる国だ。オマーン。
「オマーン国際空港」の疑問が解けると今度は我が国の「青梅国際(OMEKOKUSAI)マラソン」(関西の人大きな声で読んでみよう)が気になるのが人情ってもんじゃないですか!そうなんですって!!!
んでコッチも調べてみたよ。ええ、ええ、ヒマですとも。
こっちもどうやら青梅マラソンは国際競走ではないので、単なる「青梅マラソン」が正式だそうだ。
う~ん、残念!!!(だから何が?)
とはいえこちらは、以前は「青梅国際マラソン」と呼ばれていたという説もあり、真偽のほどは定かではない。当時の文献に当たるしかないかな。
しかしそんなことでガッカリしなくても、我が国には世界に誇るもっと堂々たるあの湖が沖縄に存在するではないか。
それでもう充分だ。おなかいっぱいだ。
大いに誇りを持って生きていこう。
地図一つでこんなに盛り上がれるなんて俺は幸せだ。
ふと気がつくと透き通るような冬の朝の空気が心地よく頬を刺した。