チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

POLICE!POLICE!!POLICE!!!

まさかこのバンドのライブをこの目で見る事が出来る日が来るとは思ってもみなかった。

THE POLICE

俺がこのバンドの音を初めて聴いたのは、確か高校の時の「Synchronicity」だった。

「何だこの音楽は!!!」と頭をぶん殴られたような衝撃を受けたが、時既に遅し、バンドはもう消滅していた。あとは全て後追いで聴いていった。

なのでこのバンドは俺にとっては伝説のバンド。もう二度とリアルタイムで活動を実感する事の出来ない、ビートルズと同じような伝説のバンドだったのです。

その演奏の張りつめた緊張感と同時にポップな要素を両立させ、ロックバンドというフォーマットを3ピースという究極の形で極限まで昇華させた世界最高のバンドだと思う。

俺は基本的に「再結成もの」にはどーも否定的だ。何故なら現役当時には絶対にかないっこないから。見て聴いてがっかりする事が多いので、それなら「夢はそのままにしておいてくれ~」と思ってしまうのね。

あ、例外はピンクレディー。テレビでしか見てないけど、あれは凄かった。現役の時より更にスケールアップしていてビックリすると同時に感動し、尊敬した。

しかしPOLICEは別だ。何しろ現役時代を「知らない」んだから。

その後「音楽界の至宝」となったスティングは別として、スチュアートやアンディは写真や映像でしか観る事ができなかったし、俺の中では伝説のこの三人が再び一緒に音を出すステージをこの目で観るなんて夢にも思わなかったもんな。

そして昨日の東京ドーム。

俺はもはや語る言葉を持たないが、本当に、確かに、あの三人がステージの上に、いた。

それだけで充分なのだが、演奏も本当にPOLICEだった。

余計な音は一切ない、潔い三人だけの演奏。(パーカッションの同期はあったかも)

そもそも東京ドームは音楽を聴く所ではないのは承知していたし、実際アンディのギターは拡散して回ってしまってあまり聴き取れなかったが、スチュアートのドラムとパーカッションを駆け回って叩き回る姿はこれがPOLICEなのか!とうなった。

そしてやはり何といってもスティング。

一曲目の第一声がドーム中に響き渡った瞬間、冗談でなく全ての人がその声にひれ伏した。

一体なんなんだこの声は。

改めて人の声の、歌の持つ力というのをまざまざと実感させられた。

それも、POLICE時代の心に鋭く突き刺さり引き裂かんばかりの声とはまたひと味違い、全てを包み込むような説得力を持ったその声は、身も心もずっと委ねていたくなる世界一の声だ。

そのせいで印象の違った曲もあったが、いや、逆にこれでよかったと思わせてくれた。

そしてそのベースの存在感にもうなった。

恥ずかしながら十代の頃の耳では、スティングといえばついつい声の方ばかりに耳が行って、正直そのベースプレイの凄さを理解していたとは言い難いが、改めて聴いてみると、スティングのそのベースがあってこその3ピースの緊張感だったことに気付かされる。

昨日のステージでもその奏法(スリーフィンガー?)とともにその存在感のあるベースプレイは充分に堪能出来た。

俺にとって最初で最後の「POLICEのライブ」はこれで終わった。

しかしそれは伝説が突如目の前に現れた、夢のような一夜だった。

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アンディーがラサール石井に、スチュアートがサーヤと結婚した黒田さんに似てるな~と思ったのは内緒だよ。