チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

3月に読んだ本

大東亜戦争スターリンの謀略―戦争と共産主義 三田村 武夫
ピヨピヨスーパーマーケット工藤 ノリコ
ピヨピヨメリークリスマス工藤 ノリコ
ペンギンきょうだいれっしゃのたび工藤 ノリコ
こんやはどんなゆめをみる? (学研おはなし絵本)工藤 ノリコ
後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”佐々 淳行

大東亜戦争とスターリンの謀略―戦争と共産主義 (自由選書)大東亜戦争とスターリンの謀略―戦争と共産主義 (自由選書)
(1987/01)
三田村 武夫

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これはすごい。衝撃の書である。

これまで歴史の事実として教わってきた、

大東亜戦争は、大陸への侵略的意図を持った軍部の暴走によって引き起こされた」

という常識がこれ一冊で全て覆る。

要約すると、ソ連コミンテルンのスパイの任を帯び、朝日新聞記者として言論界に潜入した尾崎秀実をはじめとする工作員たちが、その後近衛文麿の懐に潜り込み、政権の中枢に入って政策立案の中心となり、巧みに日本を戦争へと導いたとする説。

尾崎秀実はその後、ゾルゲ事件として逮捕される有名な人物なのだが、どうも戦後になってその果たした大きな役割がさほど重要視されているとは思えない。実際本人もその任務を自ら全面的に認めているし、これも実は氷山の一角であろうと容易に想像出来るのに。

そうした工作員の潜入活動により、彼らが唱えた「東亜新秩序」という大義名分のもと、巧妙に戦争へと誘い込まれて行く過程は背筋が寒くなる。そして彼らの思惑通り、日本は対ソ連から南方へと戦略を切り替え、アメリカと泥沼の戦争へと突入して行く。これは全て尾崎秀実らの計画通りに進んだのだ。

近衛文麿にも「何ものか目に見えない力にあやつられていたやうな気がする」と言わしめたこの奇妙な力。

それは全てスターリンの手の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ。

考えてみれば東亜新秩序と言うスローガンも、戦時中の大政翼賛会国家総動員法なども、実に共産主義的ではなかったか!!!

この著者は、実際に戦前から戦時中にかけて内務省→拓務省→国会議員という道を歩んだ中で、日本における共産主義者の動きをつぶさに知る事のできた人物である。

そしてこの本の初版が出版されたのがなんと昭和25年。まだ戦時中の記憶が生々しく残っている中で書かれた本であることが非常に高い価値を持っている。しかし当時占領中であったGHQの方針に真っ向から異を唱えるこの本は、発禁処分になってしまったそうだ。

教科書や新聞に書かれる歴史が、実に物事の一面しか見ていない事に、しかもそれが「意図的に」行われてきた事を知ると、慄然とする。

そして俺は大変な事に気がついてしまった。

世間一般に言われる、

朝日新聞は戦前は戦争を奨励していたが、戦後は反戦を標榜するようになった」

という常識。

確かにその通りで一見転向したかのように思えるなのだが、実はその戦略の発露の仕方が変化しただけで、驚くべきは戦前から朝日新聞の背後にあるバックボーンは現在に至るまで一貫して変わっていないではないか!!!!!

★★★★★

ピヨピヨスーパーマーケットピヨピヨスーパーマーケット
(2003/12)
工藤 ノリコ

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たまたま見つけた絵本なのだが、これはハマってしまった!!!

むちゃむちゃかわいいけどビミョーに憎たらしいような絶妙なバランスのキャラクターを持つヒヨコの兄弟が、お母さんに連れられてスーパーマーケットにお買い物に行くお話。

お店の中でかくれんぼを始めてしまったり、陳列されている商品のディテールの細かさや、お店に買い物に来ている他の動物のお客さんの個性等、見どころが非常に多くて、何度見ても飽きない。

いや~いいわぁこれ。久しぶりに絵本にハマっちゃった♪

★★★★★

ピヨピヨメリークリスマスピヨピヨメリークリスマス
(2007/11)
工藤 ノリコ

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「ピヨピヨスーパーマーケット」があまりに面白かったので、その続編も読んでみた。

今度はクリスマスの支度に、お母さんと市場に買い物に行く。スーパーにもいたおなじみのお友達もまた登場して楽しい♪

そして迎えるクリスマス。サンタさんは来てくれるのかな???

★★★★★

ペンギンきょうだいれっしゃのたびペンギンきょうだいれっしゃのたび
(2007/05)
工藤 ノリコ

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そして更に同じ作者の別の作品。

こちらは主人公はペンギンの三兄弟。しっかり者のおねえさんと、元気な弟ととぼけた妹。

この三人がおじいちゃんとおばあちゃんの所まで電車に乗って旅をする。

ワクワクする楽しい出来事やハプニングを乗り越えて、優しく迎えてくれるおじいちゃんとおばあちゃん。

★★★★★

こんやはどんなゆめをみる? (学研おはなし絵本)こんやはどんなゆめをみる? (学研おはなし絵本)
(2006/07)
工藤 ノリコ

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そしてこちらは同じ作者の、こんどはこぶたの兄弟のお話。

みんなベッドに入って、それぞれ「こんな夢はどう?」と語り合う。その夢それぞれに、こぶたちゃんたちがいつも遊んでいるおもちゃが登場したりして、むちゃむちゃカワエエ♪

それにしてもこの作者、ヒヨコといいこぶたといいでんしゃといい、俺と好きなもののセンスとドンピシャリなのよ~も~どうしましょ。

★★★★★

後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”
(2006/06)
佐々 淳行

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後藤田警察庁長官の下で連合赤軍あさま山荘事件の指揮を執り、その後内閣安全保障室長を務めた「危機管理のエキスパート」佐々淳行氏の、上司後藤田正晴氏を語った本。

とはいえ、ほとんどは佐々氏の数々の事件に立ち向かった武勇伝。そしてこの本には前編があるようで、そこに入り切らなかったエピソードをまとめたもの、ということで、その「本編」の方を先に読みたくなる。

それにしてもこの佐々淳行という人、数々の難事件の裏には常にこの人が動き、対処に当たっていたんだとその度驚かされる。こんな影のプロフェッショナルが戦後の日本を支えていたんだと頼もしいし、佐々氏の他にも今現在、そうして裏方として動いている人々が沢山いる事に思いを馳せて、心の中で感謝する。

★★★★