チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

4月に読んだ本

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論小林 よしのり
ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)小林 よしのり
ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉小林 よしのり
オラウーちゃん工藤 ノリコ
オラウーちゃんとまほうのやかた工藤 ノリコ
センシュちゃんとウオットちゃん工藤 ノリコ
セミくんいよいよこんやです工藤 ノリコ
巨人の肖像―双葉山力道山 石井 代蔵

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論
(1998/06)
小林 よしのり

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新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)
(2001/10)
小林 よしのり

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新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉
(2003/07)
小林 よしのり

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このブログをずっとやっていて、何度か「小林よしのりとか好きでしょ?」と言われた事がある。

しかし残念ながら今まで一度もちゃんと読んだ事はなかった。というよりわざと遠ざけていたところもある。

もう十何年も前に、彼が漫画界の論客として大センセーションを巻き起こした事はよく覚えている。朝まで生テレビなんかにもよく出てきていたので、彼の主張の中身も大体理解していた。

しかしまだ戦後教育と朝日新聞による強力な洗脳が解けていなかったその頃の俺には、いわゆる南京「大虐殺」や従軍慰安婦を否定し、大東亜戦争での日本の立場を擁護する彼の姿は、単なる「右翼」としか思えず、「コイツは一体何を言ってるんだ!?」という反発心しか起こらなかった。

そしてもう一つ、俺はあまり「マンガ」を読まないというのも大きかった。

いや、面白いのはわかるんだ。ハマればきっとメチャメチャハマるってことはよくわかる。

そしてそのクオリティが非常に高い事もよく理解している。

ただ、面白ければ面白いほど一気に読み終わっちゃって、何だか物足りないんだよね。

その点、活字本だと一冊で長い時間楽しめる上に情報量も格段に多いという費用対効果という点で、活字本と比べるとコストパフォーマンスが低いっていうのが理由かな~。

まあそんな理由で今まで遠ざけてきたんだけど、そういう意味ではこの本はマンガとしては異常に活字が多くて、めちゃめちゃ読み応えがあった。

そしてその後の俺も、色々な文献や資料に当たる事によって、戦後教育と朝日新聞からの洗脳も完全に解けた今では、彼の主張はほとんど抵抗無く、というよりむしろ積極的に同意できるものになっていた。

それにしてもこれを十年前に書いていたのはすごいね。十年前と今では社会の雰囲気が全く違っていて、朝日新聞的思考がまだまだ幅を利かせていた当時の空気の中でこれを世に問うた勇気は、いくら賞賛してもしきれるものではない。そのおかげで今まで隠されていた事実や、タブーとされていたことを口に出して言える空気を作り出した功績は多大なるものだ。

その内容も力強く説得力のあるもので、おまけによく調査されていて、当時これを読んだ若い世代に大きな衝撃と絶大な影響を与えたであろう事は容易に想像出来る。

そしてその主張は巻を重ねるごとに微妙にシフトしていきつつも力強さは益々増し、三巻ではもう涙なしでは読めない。

ただまあ、言いたい事はよく分かるんだが、味方はどこまでも美しく、敵はとことん醜悪に、というキャラ分けが極端すぎるのが、まあ個性といえば個性なんだろうけど、それだけで読む人に先入観を与えちゃうであろうところはちと危険かもなぁ。

★★★★★

オラウーちゃんオラウーちゃん
(2000/02)
工藤 ノリコ

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オラウーちゃんとまほうのやかたオラウーちゃんとまほうのやかた
(2001/04)
工藤 ノリコ

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先月読んだ「ピヨピヨスーパーマーケット」でハマってしまった作者の作品を引き続き読みあさった。

これはオランウータン(には見えないんだけどね)の王子様オラウーちゃんの冒険のお話し。なぜかいつもパンツ一丁でアホ面で穴を掘ってばかりいるオラウーちゃんだけど、実は正義感が強くてとても行動力のある王子様なのだ。そしてそれを支えるケロケロセブンの面々がカッコイイ!

「まほうのやかた」の方はおばけやしきに乗り込んで行くんだけど、このおばけがかわいい。主人公より全然かわいい(笑)。このおばけやしきはマリオシリーズを思い出すね。

★★★★★

センシュちゃんとウオットちゃん (おひさまのほん)センシュちゃんとウオットちゃん (おひさまのほん)
(2001/11)
工藤 ノリコ

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まずこの表紙だけでしばらく爆笑がとまらない。ロマンチックもとまらない。

見ての通りこの作者特有のアホ面主人公。このセンシュちゃんは顔だけじゃなくて、やることもイタズラ好きで食いしん坊で欲張りで憎たらしいんだけど、なんか憎めないんだよね。

センシュちゃんサイコー!このシリーズは是非また読みたい。

★★★★★

セミくんいよいよこんやですセミくんいよいよこんやです
(2004/07)
工藤 ノリコ

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これは一転、しっかり描き込んである絵本らしい絵本。

主人公のセミくんが「いよいよこんやです」という連絡を受け、長く暮らした地中生活に別れを告げ、いよいよ地上に飛び出して行くという感動的な作品。

それにあたって地上の虫たちが、一生懸命準備をして趣向を凝らしてセミくんを歓迎するパーティーを開いてくれる。こういう作品も描けるのね~。この人かなり懐が深い。

★★★★★

巨人の肖像―双葉山と力道山 (1980年)巨人の肖像―双葉山と力道山 (1980年)
(1980/01)
石井 代蔵

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たまに見つけると読んでみたくなるのが相撲に関する本。特に双葉山関連は面白い。

この本は初めて読んだけれど、戦後問題となった璽光尊事件の裏話等、余り語られる事の無い話題が多く、とても面白かった。

力道山に関しては、今まで関心が無かったので、色々新鮮に読む事が出来た。

力道山の死の直前、若いアントニオ猪木高砂部屋に入れようとしていたとは知らなかった!!

しかしなんともはや、寂しい人だったのね・・・

★★★★