チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

5月に読んだ本

またしても読書日記を上げるのを忘れていた。

2ヶ月遅れですが5月に読んだ分です~。

大東亜戦争への道中村 粲
中国はいかにチベットを侵略したかマイケル ダナム
これでも朝日新聞を読みますか?山際 澄夫
相撲風雲児伝石井 代蔵
相撲豪傑伝石井 代蔵

大東亜戦争への道大東亜戦争への道
(1990/12)
中村 粲

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ここ最近、大東亜戦争にまつわる本を毎月のように読んでいるが、この本はその中でも決定版と言える。

そしてやはりこれも毎月のように言っているが、戦後、教育現場や朝日新聞などによって信じ込まされていた、「大東亜戦争は侵略的意図を持った軍部が、大陸で残虐的行為を繰り広げながら暴走していった無謀な戦争」という説明は、どうやら事実をねじ曲げられていたという事に嫌が上でも気付かされる。

この本では、大東亜戦争へ至る要因となった様々な出来事が、明治新政府のスタートまで遡って格調高い文章で詳細に記されている。西郷隆盛征韓論から始まって、日清戦争→三国干渉→日露戦争韓国併合第一次大戦→二十一ヶ条要求→シベリア出兵→満州事変→盧溝橋事件→日華事変→日米開戦という大きな流れは教科書で教わる。が、戦後教育ではその出来事のみを教え、そこに至る過程が全て省かれ、全て日本の責任として批判してきたが、ちょっと待ってくれ。

これらの出来事はもちろん突発的に起きたものではなく、それぞれそこに至るまでの様々な出来事の積み重ねの上で引き起こされたものである。この本に書かれるそうした様々な事件は教科書では一切教わって来なかった。

そこには様々な国の利害が複雑に絡み合い、その裏には陰謀、挑発などの工作活動が盛んに繰り広げられていた。

そこに常に一貫しているのはロシア→ソ連の脅威である。

明治の時代から日本が大陸で起こした行動は、全てがその脅威に対抗するものであった。後にはそこに中国共産党も加わり、アメリカの利害も大きく関わり、結果的に大戦争に至った道のりは一筋縄では行かない事がよく分かる。

戦争というのは、各国の利害のぶつかり合いを解決する最終手段として行われるので、どちらか一方だけが悪いということはあり得ない。

当時その脅威に直面した人々は、常にその瞬間に最善と思われる行動を取ったはずだ。

もちろんその行動が後に歴史的に見て失敗に終わった事もあり得るとして、後の時代の人間がそれを批判する事は容易い。

あの厳しい時代に、国の存亡、生き残りを賭けていたという意識は、今の人間にはなかなか実感として理解する事は難しいかもしれない。

だからといってその時代を懸命に生きた我々の先輩を簡単に否定してしまう事はあってはならない。

今自分たちがこうして幸せに生きていられるのは、そうした多くの先人たちの犠牲の上に成り立っているのだから。

全ての日本人に読んで欲しい名著。

★★★★★

中国はいかにチベットを侵略したか中国はいかにチベットを侵略したか
(2006/02)
マイケル ダナム

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先日の聖火リレーにまつわる騒ぎになる以前は、これまであまり日本の新聞などでは語られる事のなかった、中国のチベットへの侵略。

俺自身も詳しいいきさつや、一体そこで何が行われたか、ほとんど知らなかった。

自らの不明を恥じるのみである。

この本では1940年代、中国国民党軍との戦いに中共軍が勝利し、共産党政権が樹立した所まで遡り、その後いかに中共軍がチベットに入り込んでいったかを詳細に記している。

その過程で行われたあらゆる非人道的な残虐行為は筆舌に尽くし難いが、それが淡々とした筆致で描かれるのでまた恐ろしさに拍車をかける。

ここまで問題がこじれてしまったのには、数十年もの長きに渡ってこの状態を世界が見て見ぬ振りをしてしまった事に尽きることがよくわかる。

そしてチベット人抵抗グループに、CIAが関与していた事実も具体的に描かれていて、問題の複雑さを改めて思い知らされた。

★★★★★

これでも朝日新聞を読みますか?これでも朝日新聞を読みますか?
(2007/12)
山際 澄夫

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毎月のように朝日新聞絡みの話題ばかりで非常に心苦しいが、今月はそのものズバリ。

とはいえ内容に関しては朝日ウォッチャーである自分にとってはほとんど既知の事ばかりで、さほど新味は感じなかった。

自分としてはこの本では充分承知している朝日の事よりも、同時に紹介されている共同通信や地方紙の朝日新聞以上の偏向ぶりに頭クラクラ。地方紙の影響力を考えると、こちらの方が問題は深刻なのかもしれない。

とはいえやはりこうして列挙されるとやっぱり朝日の為してきた所業は罪深い、と改めて思わざるを得ない。

★★★★

相撲風雲児伝 (1978年)相撲風雲児伝 (1978年)
(1978/01)
石井 代蔵

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相撲豪傑伝〈第1巻〉相撲豪傑伝〈第1巻〉
(1989/08)
石井 代蔵

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大相撲の長い歴史の中で、型破りで破天荒な力士たちの知られざる物語。

有名力士はもちろん、名前もほとんど知られていないような力士にまつわる話もあり、面白かった。

それにしても玉錦や前田山をはじめ、今でも語り継がれる豪傑たち。はっきり言ってハチャメチャである。これを読んでいると、今の朝青龍なんてかわいいかわいい品行方正な優等生にしか思えない。

いつからこんなやかましい時代になったのか。

★★★★