チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

10月に読んだ本

10月は何だかんだでバタバタして、結局二冊しか読めなかったよ・・・

自らの身は顧みず田母神 俊雄
チェ・ゲバラ三好 徹

自らの身は顧みず自らの身は顧みず
(2008/12)
田母神 俊雄

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さあ、ようやく図書館で順番が回ってきました田母神さん。

言うまでもなく、昨年現職の航空幕僚長として発表した論文が問題となり、更迭された人物。

改めて本書に収録してあるその論文を読んでみると、論理の飛躍と多少の説明不足のきらいはあるものの、全体的には至極当たり前の事を言っているに過ぎない。

この本では論文では説明しきれなかった点もしっかりとフォローされている。

ただやはり、戦前の我が国を肯定的に捉えるこの考え方は、自虐史観にどっぷり浸かっていた10年前の俺がこれを読んでいたら「何て事を!」と受け付けなかっただろう。

しかしその後色々勉強したお陰で、今はまずは抵抗なく受け入れられるようになった。

これがここまで問題になったという事は、やはりこの日本にはいまだにGHQに植え付けられた自虐史観が常識として支配しているという事なのだろう。

この件に関しては、色々な考え方があっていいと思う。

人それぞれがそれぞれの立場で思うことがあるだろう。

だからといって一方的に拒否するのではなく、まずは全ての日本人がこの本を読んでみて、こういう考え方もあるということを理解し、それから各々が判断すればいいんじゃないだろうか。

俺も戦後教育の呪縛から脱出するのに、愛読していた朝日新聞を読むのを止めてから更に数年掛かった。

★★★★★

チェ・ゲバラ伝チェ・ゲバラ伝
(1998/07)
三好 徹

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知ってるようで知らなかったチェ・ゲバラ

俺らの上の団塊の世代の人たちにとってはヒーローだったが,俺らの世代になるともう「名前は聞いた事あるけど…?」という存在。

こうして改めて本を読んでみると、自分は本当にこの人の事を全然知らなかったんだな~ということがよくわかった。

簡単に記すと、

キューバ革命において、アルゼンチン人でありながらカストロとともに大きな役割を果たした人物。その時に編み出したゲリラ戦などの戦術は後に大きな影響を与えた。

個人像としては全く私欲がなく、革命成就後、高い地位に就きながらそれをあっさりと投げ出し、海外の革命運動にその身を投じ、最後は捕らえられ処刑させる。

確かに本当に素晴らしい人物だ。

しかし、ひねくれ者の俺がここで疑問に思うのが、「あまりにも素晴らし過ぎる」んだよね。

歴史、特に革命というものは、中国の易姓革命の歴史でもわかるように、天下を穫ったものを正当化する為に常に書き換えられる。

わかりやすい例として、日本でも明治維新後、テロと謀略に彩られた薩長を正当化する為に不当に幕府が貶められ、薩長が美化された歴史があるよね。

近い例では大東亜戦争後、アメリカ占領軍の手によって戦前の日本が不当に貶められた。

敗戦のショックで日本人もまともにそれを信じ込まされてしまった。

これはいまだに引きずっている大きな問題。

キューバ革命も、未だカストロが存命。

まだまだ真実の当時の実情は現れないだろう。

当然革命前の歴史は大きく書き換えられ、革命後の政権が過剰に美化されている可能性は残る。

ゲバラはその象徴的人物であるだけに、ひょっとしたら神聖化され過ぎている部分もあるのではないか。

その辺りはあと数十年後にならないとわからないのかもしれない。

★★★