チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

12月に読んだ本

暗黒童話乙一
失はれる物語乙一
暗いところで待ち合わせ乙一
中国大虐殺史

ーなぜ中国人は人殺しが好きなのか

石 平
江戸川乱歩全集 第15巻 三角館の恐怖江戸川 乱歩


暗黒童話 (集英社文庫)暗黒童話 (集英社文庫)
(2004/05/20)
乙一

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乙一初の長編小説。

眼球移植手術を受けた少女が、その眼球の以前の持ち主の記憶を視覚を通して見ることができる。

その記憶は断片的なものだが、それが重なるにつれ次第に以前の持ち主の生きた世界が浮かび上がってくる。

その人格が徐々に浮かび上がる過程はとても面白かった。

後半はサスペンスタッチとなり盛り上がる。

そしてラストの締め方がまた切ないのよね~。

★★★★


失はれる物語失はれる物語
(2003/12)
乙一

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そしてこちらは短編集。

さほどグロ系はなく、どれもみな胸が切なくなるお話。

この人の場合まず発想ありきなのかもしれない。

そこから話を膨らませていく。

その最初の発想力がとても豊かなんだと思う。

でもこれいわゆるライトノベルってやつなんだね。

いやいやなかなかどうして。

ちょっと認識を改めなければ。

★★★★★


暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)
(2002/04)
乙一

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盲目の女とその部屋に転がり込んだ追われる男。

その二人の奇妙な共同生活が描かれる。

互いを意識しない生活を続けるうちに徐々にお互いを認め合う。

設定には若干無理があるかと思ったが、その過程がとても温かくなる。

これは映画化されているらしいのでそちらも観てみたい。

★★★★


中国大虐殺史ーなぜ中国人は人殺しが好きなのか中国大虐殺史ーなぜ中国人は人殺しが好きなのか
(2007/11/13)
石 平

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中国の秦の時代から現代に至るまでの長い歴史の中で、いかに恒常的に大虐殺が行われてきたかを綴った本。

その残虐さたるや途中で読むのを止めたくなるほど。

これを読んでわかるように「大虐殺」は中国の伝統的お家芸

どう考えても日本人のメンタリティとは相容れない。

この中国人の伝統的なやり方は、はっきりと詳細な証拠の残っている通州事件や戦後いまだに続くチベット東トルキスタンへの迫害の様子からも明らか。

子供の頃本多勝一の『中国の旅』を読んで感じた嫌悪感と同時に感じた強烈な違和感の原因はここにある。

この本で語られる証言は,おそらくは戦前の中国大陸を跋扈した匪族や、毛沢東率いる共産党軍による殺戮と略奪、そして日本敗戦後の国共内戦での体験を日本軍のせいにしているのだろう。

まあその本は今ではトンデモ本だということがわかったわけだが。

南京「大虐殺」などという根拠のないネタでいたいけな日本国民を騙した本多と中国共産党、そしてそれを煽った日本のマスコミ、ハッキリいえば朝日新聞の責任は重大だ。

そのツケはいまだに大きくこの国にのしかかっている。

★★★★


江戸川乱歩全集 第15巻 三角館の恐怖 (光文社文庫)江戸川乱歩全集 第15巻 三角館の恐怖 (光文社文庫)
(2004/02/10)
江戸川 乱歩

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『青銅の魔人』『虎の牙』『断崖』『三角館の恐怖』

終戦後、長いブランクを挟んで満を持して復活した頃の作品。

…なのだが、正直戦前の作品に通じる乱歩独特の世界は失われてしまった。

『青銅の魔人』『虎の牙』は少年ものだし、『断崖』『三角館の恐怖』に至ってはこれが乱歩の作品である意味はない。

乱歩以外の他の人が書いたものと言われても何の不思議もない。

乱歩久々の作品に当時の読者は狂喜乱舞したとは思うのだが。

★★