関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実 | 工藤美代子 |
関東大震災 | 吉村 昭 |
江戸川乱歩全集 第16巻 透明怪人 | 江戸川 乱歩 |
関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実 (2009/12/02) 工藤美代子 商品詳細を見る |
この真偽はともかくとして、その場しのぎの事なかれ対応、そしてそれに乗じたプロパガンダへの無抵抗が、その後数十年に渡って続く災厄として大きくのしかかってくるという好例。
声高に否定するもの無くそのまま数十年の時が過ぎればそれは『史実』と化してしまう。
南京『大虐殺』然り。
そしてこの国の政府は現在も同じ事を繰り返そうとしているではないか?!
とはいえ当時の後藤新平の対応にはやむを得ない事情があった。
それはもしこの震災が起きていなければ間違いなく起きたであろう恐るべきテロ計画から摂政宮殿下を守る為であった。
★★★
関東大震災 (文春文庫) (2004/08) 吉村 昭 商品詳細を見る |
先月読んだ工藤美代子氏の著作で批判対象とされていたので読んでみた。
氏が批判する部分はもう今となっては83年前の出来事ゆえ結論はもう出ないだろう。
それは置いておいて、やはりこの作者独特の淡々とした筆致がより震災の恐怖をありありと呼び起こす。
特にこの一カ所だけで3万8千人という信じ難い数の死者を出した旧被服廠跡の阿鼻叫喚の図の描写が凄まじい。
ここは今震災慰霊堂となっていて、以前行った時に隣接されている復興記念館に置かれていた被災者の手記を読んだことがあるがその生々しさたるや凄まじかった。
この手記は是非復刻して欲しいものだ。
★★★★
江戸川乱歩全集 第16巻 透明怪人 (光文社文庫) (2004/04/14) 江戸川 乱歩 商品詳細を見る |
『透明怪人』『怪奇四十面相』『宇宙怪人』『畸形の天女』『女妖』
前作に引き続きこちらも戦後の少年もの中心。
正直面白くないので、そろそろ読むのが苦痛になってきた。
その中でも『畸形の天女』は連作ものの初回担当作ではあるが、やや「らしさ」が垣間見える。
★★