チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

5月に読んだ本

ニッポンの穴紀行 近代史を彩る光と影西牟田
昭和16年夏の敗戦猪瀬 直樹
横綱歴代69人―大相撲近代100年の横綱と制定以前の全横綱ベースボール・マガジン社
上坂冬子昭和史三部作 日本がしたこと、されたこと

―生体解剖・巣鴨プリズン13号鉄扉・慶州ナザレ園

上坂 冬子


ニッポンの穴紀行 近代史を彩る光と影ニッポンの穴紀行 近代史を彩る光と影
(2010/12/16)
西牟田

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僕のマイミクでもある西牟田氏の待望の新著。

これまでの「僕の見た大日本帝国」や「誰も国境を知らない」では目の付けどころにうなった著者の今作は、日本各地にある穴、それも日本近代史においてその時代の要請を受け作られ短い期間発展繁栄するも、その後国策の転換などの理由で必要とされなくなり打ち捨てられてしまった施設や遺跡。

そんな「穴」をテーマにしている。

今回もかなり興味をそそるテーマ。

取り上げられた「穴」は12カ所。

中には「これはちょっと穴にこじつけじゃないか」と思う所もあることはあるが、どれも非常に興味をそそられる所ばかり。

それも、かつては栄えたが今は必要とされなくなったという、廃墟に通ずる独特の裏寂しい美しさを感じる。

かつて完成した時に自分がバイトで資料を運び込んだ国会図書館も紹介されていたりして、どの「穴」も非常に興味深く読むことができた。

ただ残念だったのは、どれも表面を追っただけの印象が強く、一つ一つをもっと掘り下げて欲しかったという欲求不満が残った。

まあこれは連載という性格上仕方のなかったことかもしれない。

足りない部分は実際に自分の目で見てみようという今後の興味につながるという意味ではこれで良いのかもしれない。

★★★★


昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)
(2010/06)
猪瀬 直樹

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国会その他あちこちで話題になっているので読んでみた。

内容は今さら言うまでもないが、あの戦争を始めるその裏でこうした事が行われていたとは知らなかった。

負けるとわかっていた戦争に突き進んでいったのには止むに止まれぬ事情もあった事は確かだが、やはり後の評価では無謀と言う一言で片付けられてしまうのが歴史。

★★★


横綱歴代69人―大相撲近代100年の横綱と制定以前の全横綱 (B・B MOOK 730 スポーツシリーズ NO. 601)横綱歴代69人―大相撲近代100年の横綱と制定以前の全横綱 (B・B MOOK 730 スポーツシリーズ NO. 601)
(2011/01/08)
ベースボール・マガジン社

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まずはこんな本をこの相撲冬の時代に出版しようというその心意気に乾杯。

記事もなかなか充実しているが、最大の欠点が。

星取表がついていない!

この手の資料本で個人星取表をつけないというのは何たる片手落ち。

せっかくの価値がこれだけで大暴落。

記事内容はいいだけに残念。

★★★


上坂冬子昭和史三部作 日本がしたこと、されたこと―生体解剖・巣鴨プリズン13号鉄扉・慶州ナザレ園上坂冬子昭和史三部作 日本がしたこと、されたこと―生体解剖・巣鴨プリズン13号鉄扉・慶州ナザレ園
(1995/06)
上坂 冬子

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★★