総括せよ! さらば革命的世代
40年前、キャンパスで何があったか | 産経新聞取材班 |
マインド・コントロールの恐怖た | スティーヴン ハッサン |
マインド・コントロールとは何か | 西田 公昭 |
洗脳原論 | 苫米地 英人 |
洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて | 苫米地 英人 |
総括せよ! さらば革命的世代 40年前、キャンパスで何があったか (2009/11/16) 産経新聞取材班 商品詳細を見る |
僕らの世代ではもうすっかり過去のものになっていた学生運動。
とはいえ何より権力への反抗を体現したカッコよさに自分は高校時代とても憧れたものだ。
実際そうした集会に顔を出してみたりもした。
しかし段々文献を読んでいくうちに何かすごい違和感にぶち当たった。
それは当時は気付かなかったがたぶん今思えばセクトの縄張り争い的な部分に気がついてからだと思う。
大学に入ってその頃はまだごく一部にヘルメット被ってビラ撒いたりしてる人達もいたが、もう自分はそこに入ろうとは思わなかった。
その後は高校生の頃感じていた運動に対するカッコよさは全く消え失せ、醜悪な部分しか目に入らなくなってしまった。
連合赤軍の本を読みあさったのもこの頃。
日本社会でも当時の活動家たちは過去を恥じ、このまま消え失せて行くかに思えた。
小泉政権あたりではまさに風前の灯だったそんな人達が、どういうわけか数年前から俄然勢力を盛り返し、ついには一気に政権交代まで果たし当時の活動家が政権を穫るにまで至った経緯はあれよあれよという間の出来事だった。
現在まさにマスコミの中枢をなしているのが当時の活動家世代であり、そのマスコミを総動員してのある意味これは一発逆転の「四十年後の革命」なんだとしか自分には思えなかった。
当時なし得なかった事を今やってやろうと。
そうした世代勢力の底力を思い知らされた気がする。
なのでそんな三年前の政権交代劇にはずっと言い知れない違和感を感じていた。
現代社会ではもう終わったようなイデオロギー的政策がもてはやされるのがどうしても理解できなかった。
このマスコミを最大限利用した全共闘世代の一世一代一発大逆転劇は、のちの歴史でどう意味付けられるのだろうか。
彼らの立脚点はあくまで「反体制」。
よりによってそれが最大のがアイデンティティだったはずの人々がいざ体制側に回った時に起きた大震災。
これは天佑か。
否、悲劇だ。
★★★
マインド・コントロールの恐怖 (ノンフィクションブックス) (1993/04) スティーヴン ハッサン 商品詳細を見る |
オウム事件の頃あちこちで紹介されていた本。
当時は読む機会がなかったけれど改めて読んでみた。
カルト教団に実際にいた著者が、巧妙なマインドコントロールの手法と脱会カウンセリングについて語る。
内容は至極納得でオウム事件当時にこの本がバイブル的にもてはやされたのもよく理解できる。
しかし翻訳が「彼は◯◯するための少しばかり重要な時間を得た」的ないわゆる直訳調なので非常に読みにくいのが難点。
★★★
マインド・コントロールとは何か (1995/08) 西田 公昭 商品詳細を見る |
最近のあの黒い人騒動で気になってちょっとその分野を何冊か読んでみた。
ハッサン氏の著はマインドコントロールというものの恐ろしさを説いてはいるが実際のその手法までは大まかでよくわからなかったが、こちらの本はその手法まで踏み込んでいる。
ただ心理学者が書いたものだけあって、専門用語が多くてちと難解な部分がある。
よく考えてみるとこの手法は基本的には何もカルト教団に限られた特殊なものではなく、企業の新入社員研修だとかスポーツチームの指導なんかで自然に使われている部分があるんだね。
それが外に向くと広告的手法に結びつく。世に「カリスマ」と称される人々は多かれ少なかれ無意識にこうした手法を自分の中に持ち合わせている人なんだろうな。
企業も当然広告販売分野で日夜研究している。
そして中にはそれを意識的に使って悪事をはたらく人もいる。
★★★
洗脳原論 (2000/02/15) 苫米地 英人 商品詳細を見る |
オウム事件当時、脱洗脳に関わり一躍脚光を浴び、ついにはあのオウムシスターズと結婚しちゃったあのベッチーさんです。
噂によるとその後常人には中々理解しがたい方面に突き進んでいるとのことだったが、実際著作を読むのはこれが初めて。
内容はオウムの薬物を利用した洗脳の手法が解説され、その後の実際にオウム信者の脱洗脳の状況が語られる。
ただこの中にもすでにちょっと理解し難い部分が萌芽として見られるが、この本は初期の本なのでまだまともな方なのかな?
★★★
洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて (2008/02/21) 苫米地 英人 商品詳細を見る |
ベッチーさんもう一冊。
こちらは比較的最近のものなので結構キテます。
洗脳といっても個人的なものではなくもっと社会的ないわゆる陰謀史観の方。
日本には薩長(!)という厳然とした支配者層がいてそのごく一部の表に絶対に出てこない人々の利益のために一般国民は汗水たらして働いている、らしい。
言いたいことはわからないでもないが、発想が常人には理解出来ない展開をするのでどうしても一歩引いて「ふ~ん」という読み方にならざるを得ない。
まあハナからネタ本として読めばそれなりに面白い。
ただこの中にもマスコミを使った国民洗脳の手法に関しては全く同感。
マスコミが作り出した「流行」や「権威」にいとも簡単に国民が釣られてしまうのは文化面でも政治面でも現実的に現在進行形で目の当たりにしている。
★★★