貴志祐介『黒い家』
最近あの尼崎の事件が「リアル黒い家」だと評判になっていて、以前『新世界より』を読んで面白かった著者なので読んでみた。
日常がある人物との出会いをきっかけに段々と静かにそして着実に悲劇に向かって進行していくさまはホラー小説として面白い。
ただそこに至るまでに冗長な描写もあるがクライマックスの緊迫感で帳消し。
主人公の行動には疑問を感じる部分もあるが面白かった。
そして確かにあの尼崎の事件を彷彿とさせる。
が、実際に起きてしまった事件の方が異常でインパクトも大きく「事実は小説より奇なり」を見事に体現してしまったケース。
青山繁晴『ぼくらの祖国』
今一番信頼する気骨の発信者青山氏。
その青山氏が大病を経て大震災、原発、硫黄島、そしてメタンハイドレートを通して我々の祖国とは何かを問う熱い書。
ただあまりに熱さが先走ってやや情緒に走り過ぎるきらいがあるが、文字が大きく読みやすいので子供にも。
両者の政略結婚の駆け引き。
劉備軍は成都を抑え蜀を興しいよいよ魏・呉・蜀の三国並び立つ。
一時の勢いに陰りを見せる曹操のもとでは司馬仲達が頭角を現し始める。