全15巻、4ヶ月かけて読了。
子供の頃ちょっと目にしてその陰惨さがトラウマになっていたが、改めて読み返してみると要するに階級闘争史観に基づいた漫画版プロレタリア文学だ。
発表当時の時代背景として学生運動周辺で熱狂的に支持されたであろう理由も頷ける。
最初のうちは面白かったが、物語は陰惨さが際立ち、途中から画風もよりおどろおどろしい物に変化し、肝心の主人公カムイもほとんど登場しなくなる。正直後半は読み進めるのが辛かった。
地元図書館には『カムイ外伝』も全巻揃っているようだが、もうこれ以上読むことはないだろう。
「東電OL」の佐野氏なので読んでみた。
しかしそれにしてもこういう嘘と虚栄のみで塗り固められ、自らの手を血で汚さずいとも簡単に人の命を奪うモンスターがどうして地の果て別海の地に生まれ出てしまったのかはよくわからない。