石原慎太郎『歴史の十字路に立って』
石原慎太郎氏の自叙伝。あまりの面白さに時間を忘れて読み耽ってしまった。
GHQ史観や朝日新聞的思想にどっぷり浸かっていた子供の頃の自分にとって石原慎太郎といえば青嵐会でハマコーなどと一緒に吠えている極右危険人物というイメージでしかなかった。
しかしその後の彼の政治活動を見、自分も大人になって社会の様々なことを知り、その認識は全くもって覆された。
しかしそれは自分の認識が変化しただけで、この本を読むと石原慎太郎という政治家は昔から『自主独立』という観点で全くブレることがなかったことがよくわかる。
願わくは知性と確固たる信念とカリスマ性を併せ持つこの類稀なる政治家を、一度日本国総理大臣として見てみたかった。
が、戦後政治の流れの中で彼を総理に推す空気は残念ながら醸成されるに至らなかった。
しかし彼が孤軍奮闘して不毛の荒地に蒔き続けた種は、確実に次の世代に受け継がれ、現在の日本に芽吹こうとしていると信じたい。