チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

千代の富士死す。

去年ガンの手術をしたことは承知していたが、つい最近までテレビで元気な姿を見せていたので、この訃報はあまりにも突然で驚いた。

千代の富士は、自分が相撲好きになるきっかけをくれた人。

初めて意識したのはまだ幕内と十両を行ったり来たりしていた頃。

細い体でやたらと相手を振り回す大きな相撲に「何だこのお相撲さんは!」と魅了された。それまで相撲といえば太ったおっさんがもちゃもちゃ組み合っているという印象しかなかったので、この若くて眼光鋭い精悍でスマートな力士の登場は子供の目にとても新鮮な印象で一瞬でファンになった。

しかし当時は彼がその後大横綱になるとは自分も含め誰も思わなかっただろう。

細いくせに相手を振り回す力があまりに強すぎてしょっちゅう肩の脱臼を繰り返していたのが痛々しかったが、昭和55年あたりから段々と筋骨隆々の身体になり、相撲も速攻相撲に変化して急激に強くなっていき、一気に横綱にまで上り詰めたのは誰もが知るところ。

当時小学校の教室の後ろで休み時間に相撲を取るのが流行っていたが、身体が小さい自分は弱くて負けてばかりいた。そこで千代の富士の相撲を参考に立ち合いすぐに前みつ(前ベルト)を取って引き付け、頭をつけて一気に前に出てみたところ、いつも負けていた大きな相手にあっさり勝つことができ、「こういうことか!」とえらく感動したのをよく覚えている。

まあもっとも勝てたのはその時だけだったが(;´Д`)

とても相撲取りとは思えない筋骨隆々の肉体、ウルフと呼ばれたその精悍な風貌。

まあとにかく「カッコいい」横綱だった。

自分にとってこんなに好きになったお相撲さんは後にも先にもこの人ただ一人だけだろう。

↓昭和55年頃、まさに大関に駆け上がろうかという若き日のウルフ。蔵前国技館にて。

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↓取組を終えて花道を引き上げる。先導するのは千代の富士の付け人で当時三段目17歳の保志。のちの横綱北勝海。現日本相撲協会八角理事長!

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