チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

5月に読んだ本

石原慎太郎『天才』

自分は石原慎太郎田中角栄も政治家としては大好きだし、石原氏の『国家なる幻影』や『歴史の十字路に立って』などの政治に関する著作も非常に面白かったので大いに期待していたが、この本はあっさり拍子抜け。

内容も角栄氏に関する本を何冊か読んだことのある人にとっては大体は知られているような事で今さら新鮮味もなく、正直さほど面白くはなかった。

この内容でベストセラーになったというのもやや不思議ではあるが、当時田中角栄に反旗を翻した石原氏が、他でもないその角栄氏を一人称で描くというある種「傑物が傑物を語る」という話題性によるものか。
何より本を開いた時の文字の大きさに一番驚いた(^_^;)

天才

天才

 

 

浅田次郎『天子蒙塵 1.2巻』

自分が今まで読んだ本の中で最も面白かったものの一つの『蒼穹の昴』シリーズ、待望の最新刊。

時代は更に下り、いよいよついに満州国建国前後のラストエンペラー溥儀と、跋扈する関東軍にまつわるお話。

ただもはや『蒼穹の昴』のような立身出世のワクワク感はなく、策謀うごめく重苦しい時代時代の流れの中で、それぞれが自らの運命に翻弄される様は、読み進めるのがは中々に辛い。

登場人物も多いのでせめて登場人物表か相関図が欲しい所。

いちいち「これ誰だっけ?」と遡るのがかなり煩わしい。

まだまだ続くようだがどこまで行くんだろう?

満州国終焉までか、毛沢東の再登場はあるのか、春雲と文秀はどこまで生きる?

天子蒙塵 第一巻

天子蒙塵 第一巻

 
天子蒙塵 第二巻

天子蒙塵 第二巻