チェリーの音楽幕府

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Little Glee Monster 11thシングル『ギュッと/CLOSE TO YOU』を聴いて

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Little Glee Monsterの11thシングル『ギュッと/CLOSE TO YOU』がリリースされた。

まず先行配信されていた『ギュッと』は、恋愛映画のエンディングテーマだけあって、「胸キュン」の方法論をこれでもかと詰め込んで文字通り「ギュッと」濃縮した楽曲。
歌詞は正直おっさんにはかなり気恥ずかしいが、映画の内容とも相まって同世代の女子にはきっとビンビン響くのだろう。
歌に関しては、5人それぞれの歌声の持つ美味しい部分がより際立って、それぞれの個性と魅力が堪能できる。特にアサヒの魅力が炸裂。こういう曲には実によく合う。

そしてカップリング(両A面という扱いだろうか?)の『CLOSE TO YOU』。
『ギュッと』があまりにポップな曲だったので、きっとカップリングの方はおっさんが泣いて喜ぶR&Bかゴスペル調の曲だろうと期待を膨らませて一聴した所、こちらもイントロからアサヒの歌い出しで始まるAメロまでジャパニーズポップスど真ん中で拍子抜け。
BメロなんかPPPHで「こりゃアイドルか!?」
…と期待が裏切られかけた瞬間、間奏でぶっ飛んだ。

力強いブラスセクションに、縦横無尽に天高く舞い上がるストリングスは、あたかも壮大できらびやかなエンターテインメントショーの幕開けのよう。
そこに間奏の間中隙間なくびっしりと張り巡らされた幾つものパートが複雑に絡み合うコーラスのゴージャスさときたら!
リトグリ史上最大と言えるであろうこのゴージャスなアレンジは徐々に高揚していき、最後は天まで昇りつめたストリングスとロングトーンのコーラスで絶頂を迎える。

そこでおもむろにメンバー一人ずつ回していくセクション(ここでもアサヒから)を経て転調(厳密に言うと一旦下がった所から元の調に戻る)した最大の盛り上がりのサビを堂々と歌い上げるはまたしてもアサヒ!
このようにこの曲はアサヒ大フィーチャー。昨年あたりから成長著しかったアサヒが、ここに来てついに完全に覚醒。
今回の曲調も2曲ともアサヒの声質にピッタリで、『ギュッと』でも同様に転調後の曲中で最大に盛り上がるサビを堂々とノビノビと歌い上げる。実に頼もしくなった。

『CLOSE TO YOU』の楽曲に話を戻すと、歌詞はやはりおっさんにはかなり気恥ずかしいが、このアップテンポな疾走感とゴージャスなアレンジは、女の子の一度走り出したら止まらない恋を存分に表現している。ライブで盛り上がるだろうなぁこの曲。俺も思わず走り出したくなる(^O^;)

改めて戻ってアタマから聴き直すと、様々なパート(ドゥーワップもあり)が複雑に絡み合うコーラスも全面に張り巡らされており、『ギュッと』ではややコーラスがオフ気味で物足りない感じもあったが、『CLOSE TO YOU』ではふんだんにコーラスパートも味わえて大満足。

サビはリトグリ(というより最近のJPOP)定番のコード進行だが、「心が今〜」で一瞬「お、転調?」と思わせておいて「走り出す〜」であっさり戻る不安定なキモチワルさが、いい感じのフックになって何度も聴いてみたくなる。

もう何度も繰り返しリピートして聴いているが、5人それぞれの魅力が満載で聴きどころたっぷりで全く飽きることがないこの曲、個人的には5人編成になって以降の最大のお気に入り曲となった。

5人編成になり試行錯誤を重ねてきたリトグリの姿が、ついにここで一つの完成形に到達したと言えるのではないだろうか。


Little Glee Monster 『CLOSE TO YOU』