チェリーの音楽幕府

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J☆Dee'Z(ジェイディーズ) SUMMER LIVE TOUR 2018~未来飛行~ 渋谷CLUB QUATTRO

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J☆Dee'Zにとって3年ぶりの東名阪ツアーの最終日、渋谷CLUB QUATTROに行ってきた。

自分にとってJ☆Dee'Zのライブは5月のFun Fan LIVE以来2度目。今回は初めての生バンドライブだったのでとても楽しみにしていたが、そんな期待を裏切らない素晴らしいライブだった。

最も印象的だったのは、メンバー3人のそれぞれの声の力。その力が生み出す圧は生バンドに全く負けていなかった。

そんな中でも個人的に今回のライブの白眉だったのは、スティーヴィー・ワンダーの『Don't You Worry 'bout A Thing』のカヴァーと『代わりにこの唄を』だった。

まず『Don't You Worry 'bout A Thing』。
これほどの名曲を堂々と歌いこなすのには驚いた。
それには前述したような「歌の力」があってこそ。
以前からNonoの歌には黒っぽいソウルフィーリングを感じていたが、最近は他の二人にもそんな雰囲気が見え隠れするようになってきた。
本格的に歌を歌いだしてわずか2年でこの域に達するのは本当に凄いと思う。彼女たちの日頃の努力がいかに凄まじいかを物語る。

ソロコーナーでのMOMOKAの歌の後ろで並んで踊りながらコーラスを付けるamiとNonoの姿を見ていて、俄然往年のシュープリームスロネッツのようなアメリカンガールズポップス路線も見てみたいと思ってしまった。

まあ言うまでもなく既に昨年の『Fun Time Funk!!!』でそれをやっているプロデューサーの目の付け所の確かさはさすがというしかない。



 歌もダンスもずば抜けた実力を誇る彼女たちだけに、今後楽曲も含めてそれを存分に活かせるこの路線をとことん突き詰めるのもとても面白いと思うし、個人的に凄く見てみたい。

そしてもう一つのハイライト『代わりにこの唄を』は、先立ってリリースされたCD音源では若干のオーバーアレンジに彼女たちの歌にも戸惑いが見え、正直作品として上手く噛み合っているとは思えなかった。

しかし今回のライブでは、メンバー3人それぞれがしっかりと曲を自分のものにして表現し歌いこなしていて、その説得力のある歌声は会場全体の空気を支配し、思わず聴き入ってしまった。
生バンドアレンジという変化もあって、それまでの自分のこの曲に対する印象を完全に払拭してくれた。

これぞまさに生の歌の力。
そもそもダンスグループとしてスタートした彼女たちが、もはやダンス抜きで歌だけでも十分勝負可能な域に入ってきたことを証明した。

そしてライブ終盤では、11月に9thシングルの発売が発表された。

このシングル、とても大事だと思う。

今回のシングルは、4曲とも出来としてはそれなりに高いクオリティを保ってはいるが、個人的にはこれまでのシングルと比べて正直ややパンチを感じなかったのも事実。

急激に力をつけている真っ最中でツアーも成功させて注目度も少しずつ高まっている中、次のシングルでは『Melody』や『あと一歩』のような、一聴しただけで聴く者のハートにガツンと訴えかけてくるようなパンチのある楽曲をお願いしたい。

J☆Dee'Zのライブを観て一番大きく感じる感じることは、ここまで激しく踊りながら歌もハモリもしっかりと合わせるという至難の業を笑顔でやり遂げる、彼女たちの音楽に対するひたむきで真摯な姿勢と心意気。
その笑顔の裏には日頃の人並み外れた努力があるはずで、それが観る者に伝わり、大きな感動を生む。

あとは、彼女たちの持つ本来のダンスの実力を持ってすれば、ライブハウスのステージはいかにも狭すぎる。
もっと大きなホールのステージでスポットライトを存分に浴びてのびのびと踊るジェイディーズを早く観たい。

彼女たちがもっと多くの人に認められ、更に大きな感動を生み出す日は、すぐそこまで来ていると思う。

その日が来るのを心待ちにしたい。

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