荒井由実から松任谷由実になり、ここからは自分はアルバム単位で聴くのは全て初めてのものばかり。
結婚し松任谷由実名義になって最初のアルバム。
しかし全体を通した印象は浮ついたところが全く無く陰鬱でかなり地味。
楽曲はそれぞれ悪くないのだが、トータルのイメージではブラジルやアンデスなど南米の香りがするアレンジが多く、正直ジジムサい。
★7
【この1曲】
『LAUNDRY-GATEの思い出』
そんな中でもこの曲の印象は飛び抜けている。とてもいい曲。
イントロは笑ってしまうが。
6. 流線型'80('78)松任谷由実
タイトルは2年後の80年を先取り、と言う意味だろうか。
そんな未来を向いた前向きなタイトル通り、ポップで軽快でワクワクするような良曲が多い。
のちのリゾート要素もこの辺からぼちぼち出てくるのかな。
★8
【この1曲】
『埠頭を渡る風』
中でもこの曲に尽きる。イントロからエンディングまでどこを切ってもカッコよすぎる。こんなカッコイイ曲が作れたら!!!
何度聴いても心を鷲掴みにしてやまない個人的にユーミンを代表する超名曲。
Aメロのフルートのカウンターメロディが最高!
7. OLIVE('79)松任谷由実
前作でポップ路線に舵を切り、このアルバムでは更にポップ方向に突き進む。
しかし、当時アイドルに曲を提供することが増えてきたこともあってか、歌詞の内容が急に幼くなり、曲調もサウンドもかなり歌謡曲っぽく、今の耳で聴くと正直古臭く感じてしまう。
ただ彼女の場合、当時は最先端だったのがすぐに他で引用されまくり、一気に陳腐化してしまうということも大いに考えられるので、その辺はしっかりと時系列で追って検証していかないと軽々に判断できないところがある。
★6
【この1曲】
『青いエアメイル』
そんな中でこの曲は普遍的なアレンジでしっかり曲を聴かせてくれる。
8. 悲しいほどお天気('79)松任谷由実
そんな前作を反省してか、初期の作品に立ち返ったかのようなこのアルバムは一転してどの曲も名曲揃いの大傑作!
1曲めのイントロから一気に世界に引き込まれ、アルバム通して軽佻浮薄な所のないしっかり練られた誠実なアレンジで、最後の曲まで思わず正座して聴いてしまい、聴き終わった後の余韻もハンパない。
「ユーミンは荒井時代が至高で松任谷時代はちょっとな〜」というこれまでの自分の偏見を見事に打ち破ってくれた。
初期作品に匹敵する、どころか、ここまで聴いた中で個人的には一番好きなアルバムかも知れない。
これほどの作品はこのあと出てくるだろうか。
聴き進めるのがますます楽しみになってきた。
『ジャコビニ彗星の日』のサビのど頭のメロディに「♪72年10月9日」という歌詞を乗っけたのは凄すぎてひれ伏すしかない。
★10
【この1曲】
『丘の上の光』
このアルバムの代表曲はたぶん『DESTINY』ということになるのだろうが、他の曲もどれもこれも名曲ばかりで目移りして迷ってしまう。
中でも極めつけはこの曲。惚れ惚れするほどいい曲。
それにしても彼女の歌詞はどの曲も情景がまざまざと目に浮かぶ。