チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

私を通り過ぎた音たち 『坂本龍一 (1)』

このブログを初めてもうすぐ一年。

analers時代から数えたら実に八年(!)に渡って姿形を変えつつこの日記を書き続けていることになる。改めて八年前に遡って読んでみると、今とキャラが全然違って自分でもおもろいな♪

しかしそんな長きに渡って書き続けている割には、これまであまり自分の聴いて来た音楽について語った事がない事に気がついた。

折しもここ最近、iTunes & iPodという便利なものを手に入れてからというもの、昔聴いていた音楽を改めて手に入れて聴き直す機会が増えた。

そんなわけでこれから『私を通り過ぎた音たち』と題して、主に自分が10代の頃に聴いていた音楽を折に触れ取り上げていこうと思います。

やはり音楽に目覚めた10代に聴いた音楽というのは、今でも常に心の中に鳴り響いていて、自分の音楽を形作る最大の要因であり、あらゆる面で影響を受けているから。

まずは10代の自分にとって欠かす事の出来ない最も多大なる影響を及ぼした坂本龍一

一回では恐らく語り尽くせないので何回かに分けて書く。

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YMOはひとまず置いといて、何枚もあるソロアルバムからまずはこれ。

YMOがスタートした直後の1979年に作られたある種企画モノのアルバム。

企画のテーマは「レゲエ」だったそうで、今聴くと確かにそうなんだけど、当時はそんなこと全くわからないで聴いていた。

彼のその他のソロアルバムとは全く異質の、シンセや打ち込み臭のしない口当たりのいい「どPOP」な作りで、とにかく聴いた。聴きまくった。もしかすると自分の中でこれまで一番たくさん聴いたアルバムがこれかもしれない。

といっても当時レコードは持っていなかったので友達にダビングしてもらったカセットを、誇張でなしにそれこそテープが伸びるまで聴いた。

最近になってほぼ20年ぶりにCDを買って聴いてみた。

やっぱええわ~!!! 当時の色んな記憶がよみがえってきたよ。

かつてはノイズだらけのカセットに安いウォークマンという劣悪な環境で聴いていたので、新たにリマスタリングされたCDでは当時判別できなかった部分も隅々までクリアに聴こえてきた。

特に当時の教授の三種の神器とも言えるローズ、ハモンドヴォコーダーの音がたまらなくセクシーなのだ。中でも「Time Trip」という曲はその全てが全面に渡って炸裂する強力なナンバーだ。

他にももちろん快感のツボを押さえた弦やブラスのアレンジも教授ならでは。非の打ち所がない。

歌は・・・あー歌はだな・・・俺はこのアルバムに関しては歌は一切聴かないことにしている。

そして改めて聴いてみて今の自分の曲作りにおいて多大な影響を受けている事がよくわかった。

例を挙げれば、Vm7 - I 7 の進行だとか ♭VII 13 の使い方なんて~のはこのアルバムから無意識に自分の中に刷り込まれていたんだな~。自分にとってこのアルバムは偉大なる音楽の教科書でもあったんだ。

坂本龍一から連想する『テクノ』という言葉とは無縁のアルバム。