チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

KORG M1 グランプリ

この記事はネットラジオと連動しています。

『週刊ペーカン秘宝館』を聴きながら読んでね♪


KORG M1。今でも古い貸スタジオやライブハウスに行くと現役でよくお目にかかれるこの楽器、シンセサイザー史上最も売れた名機であり、俺が初めて買ったシンセでもある。

俺がSKAFUNKに入った当時というと、まさにこの楽器が一世を風靡していて、どのくらい凄かったかと言うと、当時全世界で発売される音楽のほとんど全ての曲でこの楽器の音が聴こえたんじゃないかというくらい、と言っても決して大げさではないほどの勢いだった。

特に良く使われた音は何といってもピアノとオルガンだろう。ストリングスやブラスやパッド系やピックベースなど他にも様々な有名な音があるが、特にこの二つはあらゆる所でジャンルを問わず使われた。ピアノの音なんてとにかくやたらとガツンガツンしていてコードの刻みには最適だが、色気のカケラもない音なので本来バラードには全く向いてないはずなのだが、むこうの特に黒系の人たちがそんな事おかまいなしにバラードだろうがガンガン使いまくった。それがまたカッコよかったもんで力技で有無を言わせず「ピアノといえばM1」が全世界定番となった。本物のピアノのシミュレートというよりは、あまり本物っぽくない「M1のピアノ」という個性的な音がその人気の秘密だったんだろうね。それどころか、この音でなければ成り立たない曲、この音だからこそ出来た曲、おそらく世界中に星の数ほどあるだろう。それほど弾くだけでインスピレーションが生まれる素晴らしい音色だったと言う事だ。

当時定価で20万以上したので貧乏学生だった俺には非常に高い買い物だったが、これ一台で「今の音」が簡単に手に入るという魅力には抗えず、借金をして買って細々とバイトをして返していった。ちなみに借金を全て返し終わったのはSKAFUNKがもう解散する頃だったような・・・。当時のSKAFUNKのライブでは新旧DX7の二段重ねだったが、そのうち一台は完全にコントローラーで、実際鳴っていた音のほとんどは実は後ろのラックに入ったこのM1Rだった。その頃の画像がないのが残念だ。

俺にとって初めて買ったシンセなので、当然エディットしまくり使い倒した。しかしライブでは本当によくトラブルに見舞われた。湿気に弱いのか電圧の問題なのかよくわからないけれど、特に当時の新宿ロフトでは必ずと言っていいほどカードのデータが飛ぶなど毎回トラブル続きの鬼門だった。あそこは暑いし終わったあとは楽器がビショビショになるくらい湿気も凄かったからね。キーボーディストはみんな苦労してたんじゃないかな。

そんなM1だが、あまりにあちこちで使われまくったせいで数年後にはなんとなく陳腐化していき、リアルタイムで音色をコントロールできなかったりシンセ特有のレゾナンスという機能が付いてなかったりとこの機種の欠点が目に付くようになり、徐々にその欠点をカバーした新機種たちにその地位を譲っていった。あの独特のピアノの音もシミュレートされてどの機種にも必ずプリセットに入るようになった。そして俺もSKAFUNK解散とともに売ってしまった。

月日は流れ昨年、このM1がソフトシンセとして復刻されたと聞いた。それを聞いた時は正直、懐かしいけれど今さらM1って言われてもな~、くらいの感想だった。しかし発売されてみるとあちこちで大絶賛の声が聞かれるではないの!

ちょっと興味を惹かれて調べてみると、当時一枚確か二万円くらいしてとてもじゃないが手の届かなかった音色&PCM波形カードがなんと!全種類ついてる!!??おまけにM1の後継機種Tシリーズの音も全部付いて来る!!!???そしてM1の最大の欠点だったレゾナンスまで装備しているだと!!!???しかもしかもなんと!M1だけではなく、あまりに個性が強すぎて使いどころが非常に難しかったが素晴らしい音を出すWAVESTATIONまでついてくるだとぉぉぉ!!!???

なんてことだ。最大の欠点をクリアし、おまけにこれだけの機能と音色が揃った往年の名機二台がソフトとはいえわずか1万円台で手に入るとは・・・。長生きはするものだ。そして俺も今やすっかりものぐさとなり、音楽のほとんどをソフトシンセで作っているという現状にまさにもってこいではないか!迷わず注文した。

KORG Legacy Collection DIGITAL EDITION

実際使えるかどうかはともかく、これほどの事をしてくれたKORGという会社に対してお布施をするつもりで買ったのだが、実際音を鳴らしてみてビックリした。

全然使えるじゃん、これ・・・。

例えばanalersのような激しい音楽には全く不適だけど、ペーカンのようなPOPな音楽にはドンピシャリだ。しかも今となってみると音は全然古く感じない。それだけ当時からクオリティが確かだったってことだ。

あのピアノの音も久しぶりに鳴らしてみた。これもビックリした。さすが本家だけあってその後色んな機種でシミュレートされた音色とはガッツが違う!!これがホンモノだ!!!まあ実機が現在手元にないので実機と比べたらどうなのかわからないが、それにしてもこれは嬉しい。

こいつを手に入れてから作った新曲で早速使いまくってます!今後もじゃんじゃん活躍してもらうぞ!!!

そんな俺の新曲、『氷結の森』を満を持して初披露するライブが迫っている!!!

3月28日(水) 赤坂Graffiti

 出演 新谷さや香+KATSUMI/ペーソス艦隊/夢紗

 開場 18:30/開演 19:00 (ペーカンは20:05~)

 前売 ¥2000/当日 ¥2300(1DRINK 別)

今までのペーカンになかったタイプのこの曲、新たなペーカンの可能性をひしひしと感じてくれ!!!M1の音を聴き取ってくれ!!!

そしてリリー武志の歌の埋もれていた新たな魅力も発掘することに成功した!!これはすげえぇぇぇ!!!!なにより俺たちが一番ビックリしている!!!!!

今回もいつもより多めに曲やるよ!!!

チケット予約はここにメールくれ!!!!!

俺にこんな極上の幸せをくれた我らがKORGさん。またまたやってくれました。

今度はM1以前の名機、Mono/Poly、PolysixMS-20のソフト化だぁぁぁぁぁぁ!!!!!

これは狂喜乱舞するしかないでしょう!一瞬の迷いもなく注文してしまった。

そしてそれが届きました♪この報告はまたいずれ!!!

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