チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

私を通り過ぎた音たち~高橋幸宏・立花ハジメ

ここ最近、自分が最も多感な10代の頃に聴いていた音楽、すなわちその後の自分の血となり肉となった音楽を改めて聴き直すようにしている。

つまりはまあ『自分のルーツ探し』みたいな。

もちろん中には「何でこんなのがいいと思ったんだろう?」と理解に苦しむものもないことはないが、おおむね今でも自分の身体の中に流れて続けているものばかりなので、今聴いてもそのほとんどが心地よさといくばくかの興奮が自然と蘇る。

その頃聴いていた物はもう大体手に入れたのだが、先日長らく廃盤となって手に入れづらかった80年代初頭の高橋幸宏立花ハジメの4作品を手に入れた。

『Neuromantic』『ボク、大丈夫?』高橋幸宏

『H』『Hm』立花ハジメ

yukihirohajime.jpg

いやぁ~懐かしいなぁぁぁ!!!

この頃のYMO周辺、そこから派生したYENレーベル作品あたりは、もう中学生当時の俺の全てと言ってよく、朝から晩まで本当に良く聴きまくっていた。

この4作品ももちろんその例の漏れず、カセットテープにウォークマンでそれこそテープがのびるまで何百回聴いたかわからない。

今回改めて25年振りくらいで聴いてみて、どれもやっぱり新鮮でとてもよかった。

立花ハジメはまさに80年代の奇才そのもの。

ちなみに俺は当時から坂本龍一の叩くドラムが大好きで、彼のソロ作品でのプレイをはじめ、特にこのアルバムの中の『H』という曲の教授のドラムがムチャムチャカッコいいと思っていた。

ちょっとゲテモノ趣味的な部分もあるので、そんなのは自分だけかと思っていたら、最近になって意外に教授のドラムのファンが多いらしい事を知ってちょっとビックリ。

そして何より高橋幸宏作品のクオリティの高さに改めて感動。

ユキヒロさんといえば、何といっても『サラヴァ』『音楽殺人』という日本のポップス史上に燦然と輝く大傑作があるのだが(これについてはまたいつか語らせて下さい)、それに続くこの二作品もなかなかどうして負けてはいない。

当時は『Neuromantic』はちょっと病的な感じがして、ストレートなサウンドの『ボク、大丈夫?』の方が好きだったのだが、今聴くと『Neuromantic』の凄さに打ちのめされた。

まさにこの当時の『時代の音』がする。

凄くいい意味で。

同じ時期に平行してYMOで『BGM』『テクノデリック』といった世紀の大傑作を作っていたんだよな~。

本当にこの時期のYMO周辺は凄すぎる。

ユキヒロさんのソロ作品は、このあとAOR路線に行って以降自分的にはちょっと離れてしまったのだが、そのへんは今聴くとどうなんだろう?