チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

12月に読んだ本

原田伊織『明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』

我々が歴史の教科書で習ったのが「封建的な江戸幕府に抑圧されていたこの国を幕末志士達の活躍により一気に近代化への道を開いた」とされる明治維新

司馬遼太郎の小説で活き活きと描かれた幕末ヒーロー達の活躍。

それを全身に浴びて育ちながらも心のどこかで「これは本当に歴史的事実なのだろうか?」と疑問を抱いていた。

そんな誰もが抱いている明治維新の「常識」に対する疑問に実例を挙げて完全否定していくのがこの書。

明治維新は長州テロリスト殺人集団に拠る軍事クーデターである」と断じ、維新のヒーローたちをこき下ろすさまは痛快ですらある。

やや結論ありきで強引な展開も見受けられるが、教科書で習った歴史に一抹の疑問を抱かせるには充分。

古来より歴史は勝者によって書き換えられ、敗者の歴史は葬り去られるのが世の常である。

先の大東亜戦争に関するいわゆる「東京裁判史観」にもまさにそれが当てはまるが、それはまた話が長くなるのでまた今度。

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト