もちろん相撲協会に存在する悪しき体質は時代に応じて改善すべきだと思う。
そして貴乃花親方の言うことは正しい。いや、正しすぎる。
現役時代の相撲ぶりや土俵態度も誠に立派なものだった。
しかし彼の現役時代後半から引退後のTVの解説などでずっと感じる「あれ、この人ちょっと普通じゃないな、危なっかしいな」というそこはかとない直感も、あながち切り捨てるのは危険な気もする。
協会内で近くで見ている人や、長く相撲を観ているファンほど、この感覚は多かれ少なかれどこかしら持っているのではないか。
この度の対立の底にはこんなところが働いているように思う。
要するに、どちらが正義でどちらが悪かという善悪二元論的な単純な構図ではないということ。
メディアがそれを煽り立てれば煽り立てるほど対立の溝は深まっていくばかり。
これをきっかけにさらなる改革を進めるために、今後もしっかりと阿武松親方を支えていって欲しいと思う。