チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

稀勢の里引退

稀勢の里がついに引退した。

最後の引き際は決して潔いとは言えず、やや晩節を汚してしまった感があったが、若い頃から注目され、期待され、大きなプレッシャーの中、よくぞここまで孤独と不安と批判に耐えて頑張ってきたと思う。

彼のあまりに愚直さ故に、つねにどこか足りない、届かないもどかしさ。
これに多くのファンは感情移入し、一喜一憂し、喜びや悲しみを一緒に体験してきたのだろう。
そういう意味ではこれほど愛されたお相撲さんもあまりいないのではないか。

個人的には大関昇進の時も横綱昇進の時も星が足りず、正直甘い昇進だったと今でも不満に思うし、それが故に成績不振の際の「ほら見たことか」という批判の大きな理由にもなってしまった。

何より不運だったのは、横綱昇進直後、連続優勝してそんな不安と不満を全て自らの力でふっ飛ばすかに思えた矢先の致命的な大怪我。
結果これにより、その後の相撲生命を絶たれてしまったのは本当に気の毒というほかない。
どれほど無念だったであろうことは想像するに余りある。

しかし横綱として結果を残すことは出来なかったとはいえ、多くの人の記憶に色々な意味で残る横綱であったことは間違いない。

長い間お疲れ様でした。そしてありがとう。