チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

『おしん』再放送終わる

f:id:ongakubakufu:20200324233934p:plain

1年にわたって放映されていた『おしん』の再放送が終わった。
1983年の本放送当時は観ていなかったので、初めて観る今回は新鮮に楽しむことが出来た。

何となくイメージでは「貧乏くさくて辛気臭い」のではないかと長いこと想像していたが、実際はテンポよく息をつかせぬ急展開あり、笑いあり涙ありワクワクありで飽きる所がなく、なるほどこれは当時多くの人々を夢中にさせた国民的ドラマだと、改めて大いに納得するところとなった。

特に面白かったのが田中裕子が演じた中盤、加賀屋の大奥様にみっちり鍛えられ、立ち居振る舞いから料理、針仕事、着物の仕立て、手紙の代筆、更には髪結いや露天商まで完ぺきにこなすスーパーウーマンが、苦労の末ついに子供服店を立ち上げるまでのサクセスストーリーは本当にワクワクして毎日観るのが楽しみだった。

しかし面白かったのは田中裕子が演じた終戦まで。
乙羽信子に替わって以降はすっかりありふれたホームドラマになってしまい、正直あまり面白くない普通のドラマになってしまった。

しかしそれを差し引いても中盤の面白さは抜群で、1年間本当に毎日楽しませてもらった。

自分が選ぶ『おしん』MVP

1. 田中裕子(おしん
 何と言ってもおしんは田中裕子の演技力と存在感に尽きる!
 シリアスな演技の中にも愛嬌もあり、時折見せるただならぬ色気は凄まじかった。

2. 今福将雄(源右衛門)
 源じいの可愛らしさときたらおしんの中の一服のオアシスのようだった。
 おしんと源じいのやり取りは実に微笑ましく、楽しかった。

3. 東てる美(加代)
 少女時代のおしんと加代のライバル関係から、わがままなお嬢様ながらも素直な性格で、苦労を重ねて成長してから真の親友へと至る二人の信頼関係は揺るぎないものがあった。

4. 並木史朗(竜三)
 苦労知らずのお坊ちゃまで世話が焼ける所はあったが、おしんを愛し続ける心は一途で、調子に乗りがちだが可愛らしい所も沢山あって、愛すべきキャラクターだった。

5. 小林綾子おしん
 やはり当時世間の人々の目を最初に釘付けにしたのは小林綾子おしんだろう。
 今でもおしんと言えば最初に紹介されるのが雪の中筏で奉公に出されるシーン。そのインパクトは強烈だったことだろう。

6. 田中好子(初子)
 戦後のおしんが最も信頼を寄せていた初っちゃん。常に家族の事を第一に考えるどこまでも優しくて思いやりのある初子をスーちゃんが見事に演じていた。

7. 高橋悦史(仁)
 父親譲りの苦労知らずで調子乗りがちだったが、そんな中にもどこかとぼけたペーソスがとてもいい味を出していた。憎めないのも父親譲り。

 

www.nhk-ondemand.jp