第二次大戦中、ドイツ支配下のチェコのレジスタンスの実行部隊が、ナチスNo.3と言われて暴虐の限りを尽くして恐れられていたハイドリヒを暗殺する計画の一部始終を描いた映画。
映画後半、作戦実行シーンからその後のナチスによる報復のレジスタンス掃討作戦までの緊迫感は凄まじく、息つく間もなく見入ってしまった。
しかしこの映画の本筋は暗殺計画そのものよりも、たった一人の暗殺の報復として5000人ものチェコ人が処刑されたという、その終わりのない連鎖の不条理を描きたかったのではないだろうか。
極悪人をやっつける英雄といったようなわかりやすいヒロイズムのようなものは欠片もなく、観終わったあとは無情さのみが残る。
不勉強につきハイドリヒのことはこの映画で初めて知ったので、今後文献などにあたってみたいと思う。