チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

『スタンド・バイ・ミー』(1986)

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自分は子供の頃からお小遣いというものを貰っていなかったので、映画館に行って映画を観るという習慣もなく、大きくなってからもアルバイトしたお金は全て楽器代に消えていったので、レンタルビデオ店でビデオを借りて家で観るということもなかった。
なので当時みんなが当たり前に観ていたであろう名作映画というものを実はあまり観てこなかったようだ。

それが最近風呂場の電気を消して真っ暗にして、ジップロックに入れたタブレットと防水スピーカーを持ち込んでAmazon primeの映画を観るという楽しみを覚えたことで、かつての名画を片っ端から思う存分観られるようになり、今はその時間がとても楽しみになった。

そんなわけで今回は『スタンド・バイ・ミー』。
この映画はこれまで何度もテレビでやっているので今まで観る機会はあったのだが、いつだったか「この映画には嘔吐シーンがある」というのをどこかで耳にして、嘔吐シーンが大の苦手な自分はその一言だけで観るのを躊躇してしまっていた。

それもこの機会に乗り越えようと、今回意を決して観てみた。
問題のシーンはかなりデフォルメしてあることもあり、想像していたほどダメージを受けることはなく安心した。
しかしまあ趣味がいいとはとても言えず、物語にも直接関係あるシーンではないので、自分のように苦手な人はそのシーンは特に観る必要はない。

そのシーンさえ除けば、12歳の子供の友情と親や兄弟との家族関係を描いたとても素晴らしい映画。
こんな風に大切な友達たちとくだらない下ネタで盛り上がりながら人生に一度だけの大冒険をするというのは、特に男子諸君にとっては誰しもがこんな経験があるし、たとえようもなく大切な甘酸っぱく胸を締め付けられるような忘れてしまった思い出だろう。
4人のキャラもそれぞれ際立っていてとてもよくできている。
クリスはかっこいいねぇ。こんな感じの頼りがいのある奴必ずいたよな〜。

この映画を子供の頃に観ていたらその後の自分の学校生活も少しは変わっていたかな?と残念な気もする、このかけがえのない時間の価値は渦中にいたらきっと解らず、大人になって失ってしまって初めて気がつくものなのかもしれない。

いつかまた観てみたい映画になった。
例のシーンは飛ばして。