チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

『セーラー服と機関銃』(1981)

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セーラー服姿の薬師丸ひろ子が、機関銃を乱射し、恍惚の表情で「カ・イ・カ・ン」と呟く。
あまりにも有名なこのシーンは当時一世を風靡し、学校の教室ではみんながこれを真似た。
TVCMでも散々流れたので、映画を観ていなかった自分も一緒になって真似していた。

この度ようやく約40年ぶりに初めて観ることができた。
一言で言うと、「セーラー服」と「機関銃」と言うミスマッチな組み合わせのインパクトただ一つだけで成り立っている映画だと思った。

主演の薬師丸ひろ子は時折ハッとする表情を見せることがあり、当時は確かに鮮烈な印象だったことだろう。
クレーンに宙吊りになってコンクリ漬けにされるような、アイドル映画としては過酷なシーンもあり、体当たりでこの役をこなしている姿は健気でもある。

しかし内容は正直言って退屈極まりなく、途中で何度も寝てしまった。
薬師丸ひろ子の演技もまだまだ稚拙で観ているのが辛い。
新宿の雑踏でマリリン・モンローばりにセーラー服の地下鉄の風でスカートが捲れ上がったところを群衆に囲まれるラストシーンも不気味で意味不明。

しかし有名な冒頭のシーンと、薬師丸ひろ子という女優をスターダムにのし上げたという意味で、40年前の1980年代という時代性を象徴するという意味で意義のある作品であることは間違いないだろう。

そしてもちろん薬師丸本人が歌うこの主題歌という永遠の名曲を残したことも。