チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

『ねらわれた学園』(1981)

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セーラー服と機関銃』を観た流れで、同じ薬師丸ひろ子主演のこちらも観てみた。
大林宣彦監督作品ということで期待していたが、うーんこれは…。
大林監督の後年の作品に見られる叙情性は大好きなのだが、ここではまだそれは見られず、ただひたすら安っぽい映像効果と、思わず赤面するような気恥ずかしい演出の連続で、とても観るに耐えなかった。
特にこの映像効果は、当時は斬新だったのだろうか?
自分の記憶では当時でもこれはかなり幼稚で子供だましのレベルだったのではないだろうか?

そしてこの何とも言えずこっ恥ずかしい演出はのちの大林作品でも時折見られるものだが、特にこの映画は全編それに満ち溢れている。

一番気になったのはアフレコのクオリティの低さ。
映像と音が噛み合っておらず、かなりこれは萎えるポイント。

そして主演の薬師丸ひろ子も、今見るとさほど可愛くない。
むしろ今の方がずっといい。

唯一評価できるのは、80年代当時の学生たちの雰囲気が捉えられていることだろうか。
しかしここも個人的な話にはなるが、この映画が公開された81年というのはまさに、自分にとってその後長年にわたって自分を支配し続けることになる厨二病発症の時期で、この時代の雰囲気はそんな自分の封印したい記憶を呼び起こしてしまうわけで、そういう意味でも観るのが辛かったというのもある。

何にせよ、いろいろな意味で観るのがこっ恥ずかしく、いたたまれない気持ちになってしまった。

物語の舞台となっている新宿中央公園周辺の風景は、当時よく自転車で遊びに行っていたので懐かしかった。

ちなみに主題歌は松任谷由美の『守ってあげたい』。
この映画だったか!
この曲で再ブレイクし、その後80年代という時代そのものをリードしていくことになるユーミンの記念碑的楽曲であった。