チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

4月に読んだ本

先月はイベント準備でこれしか読めなかったけど、中身は濃いぞ~。

こじき大百科―にっぽん全国ホームレス大調査村田 らむ, 黒柳 わん
連合赤軍・“狼”たちの時代 1969-1975

シリーズ20世紀の記憶

毎日新聞社
かい人21面相の時代―1976-1988

シリーズ20世紀の記憶

毎日新聞社

こじき大百科―にっぽん全国ホームレス大調査 こじき大百科―にっぽん全国ホームレス大調査
村田 らむ、黒柳 わん 他 (2001/05)
データハウス

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キワもの好きのクボフミト氏の家に遊びにいった時、「この本すごいですよ~」と見せてもらった。

表紙を一目見てこれはヒドい!!!あまりにもヒドいのでちょっと貸してもらった♪♪♪

まずはタイトルがそもそもヒドい!「こじき」じゃねーだろ、「ホームレス」だろが!!!

このタイトルと差別的な内容(?)のせいで発売後すぐに絶版回収となった曰く付きの本である。こんな本を見つけてくるとはさすがクボフミト。

内容は著者が身体を張ったホームレスの生活のレポなのだが、そこにはよくある見せかけの気味の悪い人権意識などは全くなく、やけっぱちな程ストレートで投げやりな表現がかえって潔い。まあその辺がいわゆる人権屋の逆鱗に触れたんだろうが。

この内容を眉をひそめて嫌悪するだけか、我が身に置き換えて身につまされることができるか、二つの人種に分かれるだろうね。

ちなみに俺はもちろん後者。全く笑えない。★★★★

連合赤軍・ 連合赤軍・"狼"たちの時代―1969-1975
(1999/12)
毎日新聞社

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70年代初頭。ちょうど俺が物心つくころの社会。人々が大きな夢と希望を持っていた高度経済成長が終わり、社会が混沌として来た時代。

当時のニュースで見た様々な恐ろしい光景が幼い俺の心に大きなトラウマとなって残っているのだが、こうして改めて振り返ると、やはり血なまぐさい暗い時代だったとしか言いようがない。

左翼全盛の時代で、あちらこちらでストや暴動や内ゲバが相次ぎ、その中でも先鋭化した連中が爆弾闘争などという許し難いテロを繰り返し行った。

実際子供の俺も、愛しの101系や103系の車体にペンキでスローガンを描かれたまま走る無惨な姿を目撃しているし、三菱重工ビル爆破事件では実際近くに勤める父がその爆発音が聞こえたという話をしていたし、それを伝えるテレビニュースは妙に質感のあるフィルム映像とテロップがおどろおどろしかった。

中でも最も大きな事件はあさま山荘事件だろうが、これは俺にとっては大きな鉄球が山荘の壁をぶち破る映像が辛うじて記憶にあるくらいで、全くその意味を理解していなかったので、どちらかと言うとその後の過激派と呼ばれる連中の起こした事件の方が身に迫る恐怖として心に残っている。今写真を見ても恐い。★★★★★

かい人21面相の時代―1976-1988 かい人21面相の時代―1976-1988
(2000/11)
毎日新聞社

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この時代まで来ればほとんど全ての出来事を良く覚えている。

物事の価値が政治から拝金主義へと移行することにより、政治的な事件は段々と姿を消し、カネ絡みの事件が増え、そのままバブルへと突入していく

確かに世の中がどんどん軽薄になっていった時代で、人々の興味が天下国家から個人的なことに移行していき、こうして振り返ってもあまり面白みのない時代だったかも。

ま、俺の最も多感な時代だったわけだが。★★★★