チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

白鵬「バッシング」の真意と相撲協会改革

という記事を読んだ。
しかしこれはちょっと見当外れな記事だと思う。

自分は白鵬は本当に強いと思うし、日頃の稽古と鍛錬を欠かさない姿は尊敬すべきもので、多くの力士が見習ってほしいと思っている。
しかし、好きか嫌いかと言われたら私は好きではない。しかしそれは彼がモンゴル人だから、ではない。

なぜなら自分は同じモンゴル人横綱朝青龍日馬富士は大好きだったから。
この二人とも不本意な辞めさせられ方をしたが、当時の世間のバッシングの嵐こそが自分には不可解で、本当に気の毒だったと今でも思っている。
実際二人とも相撲ファンにはとても愛されていて、どちらかというと叩いていたのは普段相撲にあまり興味のない外部の人達だった印象がある。
しかし白鵬に関しては、逆に彼の態度や相撲ぶりに疑問を抱いているのは昔からの相撲好きな人たちではないか。

もちろん本来の相撲の技である「かち上げ」を問題にしているわけではない。
彼の場合それが、流れの中の技というより、相手の肉体を破壊する目的の為に思えるから。それが相撲の技として「美しくない」ということ。
彼のその「技」が美しく見えないのは、これまでこういう目的でその技を繰り出した力士があまりいなかったから。
要するに皆、その行為が美しくないことがわかっているから暗黙の自制をしてきた。

しかし彼のような力士が出てきてしまった以上、もうその暗黙の自制を力士に求めることは出来なくなってしまった。
つまりは「やったもん勝ち」の状態が生まれてしまったわけで、今後はやはりルールの改定が必要になって来たと思う。

その一案としては「かち上げ」の禁止ではなく、例えば本来傷の保護を目的にしているはずの包帯やサポーターを利用しての顔面攻撃や張り手の禁止。
その昔にもガチガチに巻いたバンテージの上から相手を失神させるための悪質な張り手を繰り出す板井や旭道山のような力士もいた。こういうのはやはり美しくない。
生身の素手を使ってのかち上げや張り手ならもちろん今まで通りOK。
相手を攻撃するなら自分の肉体にもそれなりのダメージを覚悟の上で、ということで。
これなら今すぐにでもルール化出来るのではないかと思うのだが。

いずれにしても長い大相撲の歴史の中で、こうしたルール変更を考えなければならなくなってきたのは残念だ。
しかし、昨今の状況から、技のルールだけでなく、相撲協会の体質や構造の大改革が必要であることは間違いない。
これから相撲協会がどう変化していくのか、いち相撲ファンとして見守っていきたい。

『いだてん』を振り返る

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今日からいよいよ新大河ドラマ麒麟がくる』がスタートする。
それにあたって、やはり前作『いだてん』を自分なりに総括しておかないとどうにも気持の整理がつかず先に進めないと思ったので、やや気が重いが、改めて振り返って「自分のいだてん」に決着を付けようと思う。

実は自分は放送開始前はこの『いだてん』はとても楽しみにしていて、それどころかもしかするとこれは歴史的名作になるんじゃないかくらいにまで期待は膨らんでいた。
その理由は脚本の宮藤官九郎はじめ、あの名作『あまちゃん』のスタッフが満を持して作り上げるスケールの大きな大河ドラマだと思っていたから。
自分はクドカンが大好きでこれまでの作品はほとんど観ているし、最近の大河ドラマの低レベルには辟易していたので、これまでの戦国ばかりの大河から脱して東京オリンピックをテーマにしたのも、全く新しい大河を作りたいという制作陣の意気込みを強く感じ、非常に意義のあることだと思っていた。

なので最初のうちは完全な贔屓目のファン目線で、これ以上ないくらいに好意的に観ていたつもりだった。
そんな期待を膨らませて観た初回の感想は「かなりゴチャゴチャ詰め込んだな〜」とは思ったが、それも「まあクドカンらしいよね」と、まだまだこれから始まるであろう壮大なドラマへの期待の方が大きかった。

しかし回を重ねる毎に自分の中での比重は期待よりも疑問の方がどんどん大きくなっていくばかりだった。
それは最初の2〜3ヶ月で最大限に膨らみ、その時点で自分の基準で普通だったらもう視聴中断レベルだったが、そこはやはり最初の期待が大きかったこともあり、これほどのスタッフと役者を揃えた大作ドラマがこんな状態で終わってしまうわけがない、きっとこれから大逆転劇で盛り返してくれるはずだ、それまでは何とかしてドラマのいいところを見つけよう、という一心で見続けたが、正直言ってそれはもはや苦行でしかなかった。

半年経って主人公が替わり、ここで一気に大逆転が来るかという期待もあったが、結局印象はずっと変わらず最後まで苦行は続いた。
あまりの苦しさに途中数週分溜めてしまうこともあったが、どうにか最後まで完走することができた。
もう後半はこれほどの歴史的失敗作、最後まで自分の眼で見届けてやる!という使命感のみに支えられて。

「失敗作」と言ってしまったが、周知の通り現実の評価は自分よりも更に厳しく、視聴率は絶望的に下がり続け、記録的な低視聴率を連発し、大河ドラマをずっと観てきた潜在層をことごとく追い出す形になり、歴史ある大河ドラマの権威を失墜させてしまった。
最後の方では批判するために冷やかしで観ていた人たちすらも離れてしまい、逆に最後までわずかに残った熱烈な支持層の絶賛の声だけがSNSなどに残されていったのは興味深い現象だった。
この現象は「でんでん現象」と呼ばれるものだそうで、図らずもそれが実証される形になってしまったが、今後はこれを「いだてん現象」と呼ばれることになるのだろう。

このドラマに疑問を持ち始めた最初の方で、一体このドラマの何が問題なのかを自分なりに考えてみたことがある。
今更ではあるが、自分にとってのこのドラマの問題点は、

1.とにかく全てがガチャガチャうるさい

2.五輪招致編と落語編の2つのストーリーの関連の意味不明さ

3.ビートたけしのセリフの不明瞭さ

4.主人公二人の暑苦しさで画面が汚い

5.実在の人物への敬意が欠けている

ざっと大まかにこの5点。(細かく上げればもっとある)

まず1.から。
初回を観てまず1番に感じた印象がこれ。
とにかく全てがガチャガチャしている。
役者たちがとにかく常に大声でがなり立てているのと、エピソードを細切れに矢継ぎ早にブチ込んできて視聴者を混乱させる。
とはいえこの手法はクドカンドラマの特徴ではあるのだが、今回に限ってはそれが成功していたとはとても言い難い。
現場では役者たちが大いに盛り上がり、異常なくらいに高揚していたであろうことは想像できるが、それが編集されて出来上がった画面になると、ただただひたすらやかましいだけの仕上がりになってしまっていた。

次に2.だが、これが最もわかりにくかった。
そもそもクドカンは落語がやりたかったが企画が通らなかったので、興味のなかった五輪と組み合わせることにしたとご本人が語っているが、これが大きな間違いのもとだったのだろう。
後半でようやくその2つのつながりらしきエピソードが出てきたが、「ここまで引っ張っておいてそれ?」というものだった。結局最後まで落語のストーリーの意味があったのかどうか。

3.はこれまで大河ドラマを支えてきた高齢者層が離れる大きな原因になったと思われる。
とにかく何を喋っているのか、字幕を出さないと聴き取れない。
話題作りのためだったのか、かつては一時代を築いたが、とうの昔にその役割を終えた人物を無理やり引っ張り出して晩節を汚さなければならなかったのか?

 4.は誠に失礼ながら主人公二人の顔がとてもアップに耐えられるものではなかったのと、そのキャラ作りもどちらもただぎゃあぎゃあわめくだけの奇人変人でしかなかく、とても人柄に惹かれて多くの人が付いてくるようには見えなかった。
金栗四三の水浴びの際の「ひゃー!!!」も、田畑政治の口癖の「違う!そう!」も。あまちゃんの「じぇじぇじぇ」のように流行らそうと思ったのかも知れないが、連発されるとただ不愉快でしかなかった。

5.は登場人物をおちょくったように描くのがクドカン流ではあるが、オリジナル劇では面白いがそれを実在の人物にもやってしまうのは観ていてあまり気分のいいものではなかった。

以上5点を見て導き出されるのは、制作陣の奢りだ。
あまちゃん』はたしかに面白かった。
しかしあれは今思えば時期や舞台や役者やテーマ、その色んな要素がありえないくらいに上手くハマって出来上がった奇跡的な傑作だった。
その成功で図に乗った制作陣がやりたい放題やったが、今度は逆に全てが噛み合わず大撃沈したのが『いだてん』だったと思う。

巷間言われている「クドカンの脚本と、オリンピックという近代テーマが保守的な大河ドラマ支持層に受け入れられなかった」というのはちょっと違うと思う。 

 なぜなら自分は冒頭に述べたようにそもそもクドカンの大ファンだったし、オリンピックというテーマも硬直化していた大河ドラマを一新するものとして大いに期待していたので、この理由では説明がつかない。

 要するにドラマの出来が決定的に悪く、ただただ単純に観ていてつまらなくて視聴者が離れていったとしか言いようがない。
途中出演者の不祥事が相次いだのは不運で気の毒だったが、それは全く関係はないだろう。

とはいえ、結果的に失敗してしまったが、昨今の低レベル過ぎる大河ドラマを刷新しようという崇高な意気込み、その1点だけは評価したい。
それほどまでに最近の大河ドラマはつまらない。
しかし『いだてん』で決定的に離れてしまった大河ドラマ潜在的視聴者を戻すのはもう並大抵のことではない。
いだてんがそれに払った代償はあまりにも大き過ぎた。その責任は極めて重大だ。
 

歴史ある大河ドラマも終焉の時がこれで一気に近づいたのかもしれない。
ちょうどそこに『ポツンと一軒家』というおあつらえ向きの強力な裏番組も出来てしまった。
麒麟がくる』がその歯止めとなる一手となるか?
残念ながらその道は甚だ厳しいと言わざるを得ない。

挾間美帆『ザ・モンク:ライヴ・アット・ビムハウス』

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今年のグラミー賞に挾間美帆さんという日本人がノミネートされていることを知った。
どんな人なのか知らなかったので、ためしに『ザ・モンク:ライヴ・アット・ビムハウス』というアルバムを聴いてみた。

ややややや!!!これは凄いぞ!!!

 1曲めの『セロニアス』の度肝を抜く入りで一気に持っていかれ、2曲めの『ルビー・マイ・ディア』の得も言われぬ美しさときたらどうだ!
そして『エピストロフィー』はこのアルバムの白眉。とにかくカッコいい!!!

アルバム全編を通して豊潤なビッグバンドのハーモニーとスリリングなリズムでモダンジャズの巨匠セロニアス・モンクの名曲たちを巧みに料理していて、楽曲の構成にも物語を感じさせて身も心も委ねたくなる。そして改めてモンクの音楽の素晴らしさに気づかせてくれる。

自分はビッグバンドというのは、デューク・エリントンカウント・ベイシーを何枚か聴いたくらいで、これまで自分にとっては馴染みの薄いジャンルの音楽だったが、これを機に他にも色々聴いてみようと思う。

そしてこのアルバムは自分にとって耳に馴染みのあるモンクの曲を取り上げていたことで、挾間美帆さんの音楽を知る入り口としてはとても良かった気がする。
次はいよいよ彼女のオリジナル作品の世界にハマっていこうと思う。
楽しみ。

 

 

音楽制作ソフトの10年今昔

音楽制作環境を整えるにあたって、10年前に使用していた音源ソフトたちの大オーソライズ大会実施中。

10年前のソフトなんてほとんど使えなくなっているだろうと諦めていたが、ところがどっこい、ほとんどのソフトが今も同じように使えることが判明。
やっぱりユーザー登録はしておくものだね。IDやパスワードを忘れてしまっていてちょっとだけ苦労したけど。

特に10年前に最も愛用していたStylus RMXKORG Collectionがそのまま使えそうなのは嬉しい。
新しいことを覚える前に以前と同じように作業が始められるから。

あとはKOMPLETEあたりがあればいいのかな。
と思ったら実は忘れていたがKOMPLETEもバージョン7を所有していた。(最新バージョンは12)
手に入れてすぐに音楽制作を止めてしまったのであまり使った記憶がないけれど、こちらもおかげでアップデート版を安く手に入れられそう。

当時使っていたDAWのLogic Proも今はずいぶん使いやすくなっているようだし、さほど新しいことを覚えなくてもいい感じで音楽制作再開できそうになってきた(*゚∀゚)

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音楽制作再開元年

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2020年になりました。あけましておめでとうございます。

山梨に移住して6年目に入った。
そもそもの移住の目的は、都会の煩わしさから逃れ、自然に囲まれて落ち着いた環境でじっくり腰を据えて音楽を作れるように、だったはず。
しかしながらいざこちらに暮らし始めると、河口湖の生活があまりにも楽しすぎて日々が充実していて、却って音楽から更に遠ざかってしまった。
やはり何かを創作するには、ある程度のハングリー精神が必要なんだな、というのを実感した。現状に満足し切っていたら何も出てきやしない(^_^;)

まあだからといって特に焦ることもなく、時の過ぎゆくままに任せていたところ、ようやく最近になってまた音楽を作りたい!という欲求が少しずつ芽生えてきた気がする。

かといって昔のように「売れる曲を作りたい!」とか「多くの人に聴いてもらいたい!」とか余計なことを考え出すとまたろくなことがないので、あくまで自分の中から湧き出してくるものを形にしていくだけの自己満足でいい。

そこで今少しずつ制作環境を整えるべく、新しい機材やソフトを集め始めている。
しかしながらブランクは10年にも及び、その間に制作環境も以前とかなり変化しているので、それに慣れるためのリハビリには相当の期間と覚悟が必要と思われる。まずは機材との格闘から。

とはいえ10年前からDAW環境もかなり進化を遂げているだろうし、今一体DTMでどんな事ができるのか楽しみのほうが大きい。

まずは新しいソフトと機材に慣れるために手習いにエチュード的な小曲を何曲か作ることから始めたい。
それの出来が良ければYouTubeにアップするかもしれないし、しないかもしれない。
約束事は何も決めずに、10年ぶりに自分の中からどんな音楽が湧き出てくるのか、それともこないのか、実は自分が一番楽しみにしているのかも知れない。

今年もどうぞよろしくお願いします。

歴代の銘機の音を楽しむ KORG Collection

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KORGの歴代の銘機を集めたソフト音源KORG Legacy Collection
10年以上前に愛用していてM1とかMonoPolyとかめちゃめちゃ重宝してよく使っていた。

最近これを10年以上ぶりに立ち上げてみて、さすがにもう使えないだろうと思ったら、まだしっかりサポートは続いていて無償で現行版をダウンロードできた。さすがKORG良心的!

で、これを最新版にアップグレードするとなんと銘機ARP ODYSSEYとTRITONが入ってるではないか!これは超強力!これだけでもう何でも作れちゃう感じ。

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TRITONは昔大好きで、今でもホコリをかぶった実機を所有しているけど、この音が高価だった拡張ライブラリーまで全て含めてプラス¥16,390でソフトシンセになって気楽に使い放題になるなんて夢のようだ!

これは音楽制作再開したら真っ先に買ってしまいそう。

 

www.korg.com

BEHRINGER DeepMind 6

ベリンガーのアナログシンセDeepMind 6 をようやく箱から出した。早速音出ししてみたけど、プリセットが沢山ありすぎてまだ全部聴ききれない。
第一印象としてはプリセットはかなりエフェクト込みなのでエフェクトを切った時にどうなるか。フィルターの効き具合はいい感じ。
あと、同時発音数が6なのに、ボイスが複数の音色をレイヤーさせているものが多いので、あまり分厚い和音を弾くと全部発音しきれないのがちょっと困るかな。
まあそれはもうアナログシンセはこういうものだと思って上手く使うしかない。
とりあえずまずは仕事用のコントローラーとして活躍してもらいます。37鍵なのでとてもコンパクトでいい。

それにしてもこんな「大人のおもちゃ」が税込み54,780円で、そこにポイントがなぜか16,410円も付いたので実質3万円台で手に入るなんてすごい時代になったものだ。
ポイントは音源ソフトのアップデート代に使わせてもらいます。

 

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