チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

11月19日  -Meteor-

ついにこの三年間の思いが報われる日が訪れた。

すっかり自分の中で秋の恒例行事となった岸田劉生、いえ(これも毎年お約束)しし座流星群が今年もやってきた。

三年前に特大級の火球を見て以来、一昨年、去年と期待を裏切っていたけれど、今年はアッシャー予想(定評アリ!)によると19日の午前2時台と3時台に大規模なピークが日本で見られる、との報告があり、かなりの期待を持ってこの日を迎えた。

そしてこの三年間の経験を踏まえて、これまではマンションの屋上で見ていたのを今年は、全天を360度見渡すことができる河川敷で見ることにした(流星は全天くまなく現れるので、しし座の方ばかりを見ていてもダメ)。

その場所に着くと、もうすでにあちこちから歓声が上がっている。

歩きながら空を見上げるだけでももう容易に飛んでいる星を見つけることができる。

この時これは去年までとは違う!という感触を確信した。

最初のうちはそれでも数を数えていたけれど、それもそのうちバカバカしくなってやめた。去年までの「6個見えた!」とか「30個見えた!!」で喜んでいたのはなんだったんだろう?というくらいのまさに星の乱舞がそこにあった。

3時過ぎのピーク時にはもう常にどこかで星が飛び交っている状態。ダブル、トリプルなんかは当たり前。流れ星といえば願いごとだけど、一つの願いごとをしている間にも3つも4つも飛んでいるもんだから、もう願い放題!!!

結局夜が明けるまでの間に、一分間に10個(ピーク時にはそんなもんじゃなかった)で計算したとしても優に2000個近くは見たことになる。都会の明るい空でこれだから、これがこの夏富士山の上で見たまるで作り物のような星空だったら、、、と思うと圧巻だっただろう。それでも一晩で一生分以上の流れ星を見ることができたことは間違いない。

 こんなことってあるんだね。

気が付くと始発列車のガランとした蛍光灯の列が、ひどくのんびりした流星となって鉄橋を渡っていった。

そしてその無機的な音は街の寝覚めを告げるかのように、一陣の風となって川を吹き抜けていった。