チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

8月に読んだ本

花神 司馬遼太郎
翔ぶが如く(一)
     (二)
     (三)
司馬遼太郎
白い航跡(上)
    (下)
吉村昭
真珠夫人 ノベライズ(下) 中島丈博

花神司馬遼太郎
大河ドラマを見て原作が読みたくなった。長州の百姓医から適塾蘭学を学び、幕長戦争・戊辰戦争を指揮して明治新政府の軍隊を作り上げた大村益次郎の生涯。
これも時代に必要とされた才能が役割を果たした途端に消えてゆく。人情を排した機械のような人格も面白くて、色々なことを考えさせられた。それにしても大河ドラマ中村梅之助はつくづくハマリ役だったんだな~。
★★★★★

翔ぶが如く(1)(2)(3)/司馬遼太郎
以前に一巻だけ読んだけれどずいぶん時間が開いたので、改めて最初から読み直した。
維新後のいわゆる征韓論での対立から西南戦争へと進む西郷隆盛大久保利通の物語。
時代背景の説明が延々と続いたり、同じエピソードが何度も出てきたりして、文学作品としての完成度は疑問だけど、明治黎明期の混沌とした雰囲気は充分に伝わってくる。幕府を倒したとはいえ、しばらくは新政府もずいぶんと危ない橋を渡っていたんだと思った。大久保利通が清に渡って台湾出兵後の交渉をする場面は圧巻。まだまだ続く。
★★★

白い航跡(上)(下)/吉村昭
厳密に言うと明治以降の話だけど物語が戊辰戦争から始まるってことで許してちょ。
戊辰戦争で従軍後、イギリスに留学した高木兼寛が帰国して海軍軍医となり、当時軍内に蔓延し日清・日露戦争においては戦死者の数に匹敵する何万人もの死者を出すことになる脚気の原因が、栄養面にあることを早くから指摘する。実際海軍では患者をなくすことに成功するのだが、そこに立ちはだかるのが陸軍軍医森林太郎(鴎外)ら。両者の意見は真っ向から対立する。医学的に高木が正しかったのが証明されるのは両者の死後だった。。。とにかく面白かった。
★★★★

獅子の時代-総集編-(ビデオ)/NHKビデオ
幕末のパリで出会う薩摩藩士と会津藩士。政治的には全く相反する両者のその後の数奇な縁。主人公は架空の人物だけど、幕末から明治に掛けての様々な場面で二人は遭遇する。以前に再放送していた時に見ていてとても面白かったので総集編を借りてみた。
しかしやっぱり以前に見ているだけに端折っている部分が目について物足りなかった。総集編だから仕方ないけれど面白いだけに残念。またノーカットで見てみたい。
★★★★

燃えよ剣(ビデオ)/テレビ東京
役所広司土方歳三)主演で期待して見たんだけど・・・うーん、これは期待外れ。
後半の最大の見せ場であるはずの鳥羽伏見の戦とそれ以降の箱館に至る部分が全くないのってどーゆーこっちゃ???