限り無く西高東低に塗りつぶされた 或る晴れた日。
愛車(金子さん2号)がパンクしていた。
原因は空気圧不足によるリム打ちパンクだった。
自分で直してみようと思い立ち、パンク修理セットを買ってきた。
修理は思いのほか簡単だった。(後ろが金子さん2号)
なんだかとてもいい気分だった。
このまま自転車(金子さん2号)に乗って出かけたくなった。
ので、
凧上げをした。
夕映えの空に吸い込まれるように
凧(キティさん)はぐんぐんと上がっていった。
どこまでもどこまでも上がっていった。
どこまでも。
日が落ちて帰ろうと
糸を手繰り寄せた瞬間
一陣のつむじ風がくるくると凧にたわむれて通り過ぎていった。
なんだか少し幸せな気分になって自転車(金子さん2号)をこいで家に帰った。
日だまりを失った犬も肩をすくめて帰ってゆく。
自転車(金子さん2号)は胸を張ってどこか誇らし気に僕を乗せて走る。
乗り心地は最高だよ、金子さん2号!
春ももう近い。