チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

3月24日  白鵬時代

関脇白鵬横綱朝青龍に勝った。完勝だった。

今場所の白鵬の相撲は初日から全く危なげがなく、大関どころかもうすでに横綱相撲へと進化を遂げていた。身体も場所ごとにぐんぐん大きくなって厚みを増し、何より表情が全く変わった。

特筆すべきは全盛期の横綱貴乃花を彷彿とさせる下半身の安定感。それに横綱輪島の前さばきと技のキレを併せ持った今場所の白鵬は、もう誰にも負ける気がしないくらい相撲が完成されていた。

初日から見ていれば今場所の白鵬にはもう朝青龍でも勝てないだろうという確信に近いものがあったので、昨日の勝負はさほど驚きはなかった。この相撲を取っていればもう今年中には一気に大関を通り越して横綱まで駆け上がるだろう。

最近稽古不足が目立って精彩を欠いている朝青龍もこのままでいるはずがない。これから更に相撲は面白くなっていく。

それにしても最近の相撲は面白い。

朝青龍の相撲を見るだけでも十分面白かったのが、ここ数場所は琴欧州白鵬が加わり更に面白みを増してきた。下に目を移しても安馬稀勢の里高見盛北桜旭鷲山等々、個性派力士が目白押しだ。長年相撲を見ているけどこんなに面白いのはあまり記憶がない。

その割に人気が低迷しているのは活躍しているのが外国人ばかりだからなのかな~?

だとしたらそれはあまりにも内容を見ていなさすぎだ。君が代日の丸大好きなこんな俺でも、最近の外国人力士、特にモンゴル勢の相撲は手放しで絶賛するぜ。素晴らしい!

何度も言うが外国人力士とはいっても一昔前のハワイ勢のようなパワー一辺倒の大味な相撲とは全然違うんだ。数年前の身体ばかり大きくなってたるみまくっていた相撲界に、スピードと技のキレを持ち込んで革命を起こした朝青龍の功績はいくら賞賛してもしきれるものではない。朝青龍登場後は身体ばかり大きくて動きの重い力士は淘汰され、現在の相撲界にはスピードが蘇った。

特に今場所は WBCで日本が優勝を決めたその日の相撲は特に皆最高に気合いが入っていて面白かった。「俺たちもいい相撲を取って相撲人気を盛り上げねば!」という気迫が見ている方にも伝わってきて素晴らしかった。

それからTVを見ながら客席にいろんな人がいるのを見つけるのも面白い。

東京場所ではしょっちゅう林家ぺーがピンクのスーツとカメラというこんな所でも自分のキャラを主張すんのかよ!って感じでよくいるし、こないだは京唄子が真っ赤な出で立ちで「私を見て!」ってしっかりカメラに映る席に座ってたぜ。

今場所気になるのは西方の定位置にいつもきちんと着物を着て背筋を伸ばしてきりりとした表情で土俵を見つめるいいトコの女将ふうの人。たぶん今場所ここまで皆勤賞じゃないか?

とにかく今の相撲界は、内容は申し分ないんだ。

この内容を持続していけば間違いなく人気も回復していくだろう。

みんな頑張れ!!!