重光・東郷とその時代 | 岡崎 久彦 |
昭和史 松本清張と私 大正末期~二・二六事件 | 渡部 昇一 |
いやいやえん | 中川 李枝子 大村 百合子 |
サダム・フセインは偉かった | 高山 正之 |
かわ | 加古 里子 |
重光・東郷とその時代 (2001/06) 岡崎 久彦 商品詳細を見る |
元外交官で安倍内閣のブレーンであったと噂される岡崎久彦氏による、満州事変から大東亜戦争、そして敗戦に至るまでの日本の主に外交面を冷静に綴った本。
タイトルはこうだが実際に戦時中の外交を担った重光葵と東郷茂徳が出てくるのはごくわずかで、それよりは戦争に至るまでの日本を取り巻く状況、それに外交官や政治家がいかに対応しようとしたかがこの本の主題である。
その内容は、妙なイデオロギーや史観にとらわれる事無く、非常に冷静に功罪が語られる。
戦後そう教わってきたような日本が100%悪ではなく、だからといってもちろん100%善というわけでもなく、外交上の失敗は失敗として指摘される反面、当時の厳しい世界状況の中で我が国が必死に生き抜こうとしていた努力と事実を冷静に明るみにし、評価している。
どんな時代でも、その場に置かれた人々は皆必死に対応策を考え、自らが信じる最善の道を選ぶ。
それが結果的に失敗してしまう事もあり、その場合は政治家であれば責任を取らなければならないが、あとの時代の者がそれを現在の価値観で一方的に批判するのは傲慢である。
これはシリーズになっているようなので、他の本も是非これから読んでみたい。
★★★★★
昭和史 松本清張と私 大正末期~二・二六事件 (2005/12) 渡部 昇一 商品詳細を見る |
戦後華々しく文壇に登場し、数々の名作を送り出した松本清張氏。
特に、昭和史に現れる数々の謎の事件を独特な視点と調査から真相に迫った作品の数々は、戦後における「松本史観」とも言える多大な影響力を持った。
その多くはいわゆる「陰謀史観」であり、主にGHQなどがその陰謀の中心に据えられた。
そして日本共産党にシンパシーを持っていた松本氏の筆では、日本共産党がいつも被害者の側にいた。
この本は松本清張に敬意を表しながらも、そんな「松本史観」に疑問を呈する。
確かに、松本氏の本は読んでいると非常に面白いのだが、こうして指摘されると確かにかなり偏った印象を受けるね。
全ての物事は、視点を少し変えるだけで全く違う様相を見せる。
★★★★
サダム・フセインは偉かった (2007/10) 高山 正之 商品詳細を見る |
このタイトルは、この本に含まれる多くのコラムの中の一つ。
このタイトルでわかるように、この本も様々な物事は視点を変えるだけで全く違う姿を見せる事を証明する内容。
マスコミによって報道されるオモテの「事実」だけでは見えない、ウラの「事実」が常に存在すると言う事。
それは視点を少し変えるだけで見えるものなのだが、マスコミによってその視点が隠されてしまうと、容易には見えてこない。
その視点を常に磨く努力をしていないと、マスコミの思うがままに操られてしまうことを思い知らされる本。
★★★
かわ (こどものとも傑作集 (41)) (こどものとも絵本) (1966/09/01) 加古 里子 商品詳細を見る |
子供の頃家にあって擦り切れるまで読んだ絵本。
今読むと結構ラフな絵だったんだな~とは思うが、ひたすら懐かしかった。
★★★
いやいやえん?童話 (1962/01) 中川 李枝子大村 百合子 商品詳細を見る |
これも擦り切れるまで読んだ児童文学の傑作。
黒い山はすごく恐いけど、そこに住んでる鬼はめちゃめちゃいいヤツじゃないか。
こぐまははだかでいいんだよ♪
それにしても「いやいやえん」は何のためにあるんだろう???
★★★★★