蒼穹の昴〈上〉ー再読ー
〈下〉ー再読ー | 浅田 次郎 |
宣戦布告〈上〉
〈下〉 | 麻生 幾 |
ダム
ダム2 | 萩原 雅紀 |
珍妃の井戸 | 浅田 次郎 |
私の家は山の向こう
―テレサ・テン十年目の真実 | 有田 芳生 |
蒼穹の昴〈上〉 (1996/04) 浅田 次郎 商品詳細を見る |
蒼穹の昴〈下〉 (1996/04) 浅田 次郎 商品詳細を見る |
俺が今まで読んだ本の中で最も面白かった本は?という問いがあれば真っ先に挙げるのが司馬遼太郎の『坂の上の雲』と、この浅田次郎の『蒼穹の昴』だ。
この本を一気に読み切った時の感動は今でも忘れられない。
最近、その待望の続編『中原の虹』が書き終えられたという話を聞いて、今すぐにでも読みたい衝動に駆られたが、まずその前にもう一度『蒼穹の昴』から読み直そうと思った。
なにしろこれを読んだのはもう十年近くも前。
いくら面白かったとはいえ、細かい内容は忘れてしまっているので、『中原の虹』をより楽しく読むためにも復習しておかなければ。
というわけで、やっぱり面白い。
舞台は19世紀末の中国なので、固有名詞がなかなか覚えられず最初は苦労するが、登場人物を把握してしまえばあとはぐいぐい一気に読み進められる魅力に満ちている。
さすがに最初に読んだ時ほどの激しい感動というわけにもいかなかったが、二度目となれば最初は気がつかなかった様々な伏線を楽しむことができる。
久しぶりにこの魅力溢れる登場人物たちに再会することができてとても楽しかった。
いよいよ『中原の虹』が楽しみだ。
★★★★★+★
加筆完全版 宣戦布告〈上〉 (講談社文庫) (2001/03) 麻生 幾 商品詳細を見る |
加筆完全版 宣戦布告〈下〉 (講談社文庫) (2001/03) 麻生 幾 商品詳細を見る |
敦賀半島に北朝鮮の潜水艦が漂着し、鍛え抜かれた特殊部隊が山中に身を潜める。
それを受けた日本政府のうろたえぶり。
事が起きてから初めて現行の法律では為す術がない事を知り呆然とする政府首脳たち。
そして警察・自衛隊・政府がそれぞれ責任のなすり付け合いをしているまさにその間に、現場では容赦のない攻撃により貴重な人命が次々と失われていく。
みすみす殺されるのを知りながら、発砲する事すら出来ない現場の隊員たち。
戦後、アメリカの核の傘の下で平和を貪ってきた日本という国の、いざという危機に対応する法整備が全くなされていないことを否応無しに知らされる。
この本が書かれて以降、我が国では有事法制が定められたので、今はさすがにこの本のような事にはならないと思うが実際の所どうなんだろう?
そして戦争直前まで進行したこの事件を解決するのは、諜報工作だった。
それにしても一筋の情報をずっと見逃し続けてきたのが、偶然に偶然が重なってようやく手にしたもの。
我が国でも本気でスパイ防止法や日本版CIAの検討が必要なのかもしれない。
★★★★
ダム (2007/02/16) 萩原 雅紀 商品詳細を見る |
ダム2(ダムダム) (2008/01/16) 萩原雅紀 商品詳細を見る |
また新たなマニアの世界に目覚めてしまった。
そう、ダム!!!
人気のない山奥に突如として出現する想像を絶する巨大な建造物。
現実とは思えないこのシチュエーションを想像するだけで、もうたまらないマニア心をくすぐるではないか!!!
すごいぞダム!!!
★★★★
珍妃の井戸 (1997/12) 浅田 次郎 商品詳細を見る |
『蒼穹の昴』と『中原の虹』という大作の間に,実はもう一編この作品が存在する。
とはいえ、混乱する清朝末期のどさくさの中で皇帝の妃が殺害された事件の真相に迫るミステリータッチの異色作。
当人に関わる様々な人物の証言を集めて真相に迫っていく、という『壬生義士伝』と同じ手法。
それなりに面白いのだが、やはり『蒼穹の昴』のスケールの大きな世界からは見劣りしてしまう。
あくまでも「番外編」といった感じ。
★★★
私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実 (2005/03) 有田 芳生 商品詳細を見る |
謎の死を遂げたテレサ・テン。
スパイ説、謀殺説など、さまざまな憶測が飛び交ったが、この本では一応それらの説を否定する内容。
とはいえ、これだけではやはり何とも言えない謎は残る。
★★★