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新NISAはじまる

今年から待望の新NISAがスタートした。
今年は年始から国内株も米国株も驚異的な上昇中で、以前からやっていた人はもちろん、このたび新NISAをきっかけに初めて投資に参加した人たちも、おそらくほぼ全員がいきなり資産を大幅に増やしていると思われ、最高の滑り出しとなった。
投資はマイナスになる局面もあることを理解はしていても、始めてすぐにマイナスになるとやっぱり凹むからね😅

新NISAとは今さら言うまでもなく少額投資非課税制度のことで、以下の表のとおりこれまでの旧つみたてNISAの欠点をこれでもかと全て改善し、より幅広い層の人に気軽に投資を利用しやすくなった神のような新制度で、岸田政権にとって最大級の功績であり、諸手を挙げて賛同する。

とはいえ以前の自分には「投資なんて怪しい」「投資なんていうのは金持ちがやるもの」という根強い偏見があり、そのせいでアベノミクスの時も自分のような底辺の庶民には全く縁のない世界の話と決め込んで興味すら持とうとせずにせっかくの恩恵にあずかれなかったのと、もしその時投資を始めていれば6年前に旧つみたてNISAが始まった時に迷わず初年度から始められたのにと、あの頃の自分を叱りたい。

それとやはり過去にニュースで悪質な投資詐欺に引っかかった人や、ブラックマンデーリーマンショックでこの世の終わりのような報道と絶望にくれる人を散々見せられてきたわけで、その偏見を払拭するのは容易ではなかった。

確かにその頃はまだ現在ほどにはネットで気軽に投資信託が買えるような環境も整っていなかったので、そういう意味でも庶民にとって投資はハードルが高かったことは事実だ。

それが旧NISA制度スタート以降ここ数年で急速にネットの投資環境が整備され、優れた商品もたくさん出て自分のような一般庶民にも気軽に投資に参加できる環境が整ったところに満を持して登場したのが今回の新NISAだ。

新NISAの優れたところは、とにかく幅広い層の人が参加しやすくなったところ。
何かと政府を批判したい人は「富裕層優遇ではないか!」と言うが、これはあくまで「少額投資非課税制度」で限度額が設定されており、年限も無期限なのでそれぞれが自分に見合った金額から自分のペースで参加することができ、それこそ100円からでも参加できる(現実的ではないが)ことがどうもイマイチ理解されていない気がする。

そして今までの自分にとって最大の懸念は老後問題であり、年金もごく僅かでいくら試算しても全く足りない老後のお金のことを考えるたびに絶望的な気分になっていた。
それが絶望しかなかったこんな老後もこのNISAをうまく利用すればもしかしたら何とか生き延びることができるかもしれない、という微かな光が見えて一縷の望みが出てきたことは自分にとって天地がひっくり返るほどの衝撃であり、荒みきった心が穏やかになり精神の安定につながったというとてつもなく大きな効用があった。

今回の改正は多くの人々の予想をいい意味で大きく裏切るくらいの太っ腹で、これを押し切った岸田首相の功績は多大だ。
まあもちろん年金制度が先細りでこれからは全く期待ができない分、どうかこれで個人個人で老後資産を賄ってくださいというベーシックインカム的な意味のメッセージでもあることは否めないが。

とにかくこれからはインフレと円安で、現金預金をただ持っているだけでは価値がどんどん減っていく一方なので、それを食い止めるためにも投資は重要になってくる。
この事実に気がつくことができたのも自分にとっては大きな知識となった。

このNISA制度を知って色々調べるうちに、今まで知らなかった(知ろうともしなかった)株や投資の仕組みが徐々に少しだけ理解できてきた気がする。
恥ずかしいことに若い頃は「資本主義の犬め」みたいなカッコイイ決め台詞と共に「資本主義は悪」みたいな思想にかぶれたりもしたものだが、今となっては資本主義の世界に生きている以上、積極的に資本主義に関わっていくことが大事なのだとようやく気づくことができた。

そういう意味で今は学校できちんと投資の正しい知識を教えてくれるようになったのは素晴らしいことで、偏見なしに投資を始めることができる若い人が羨ましい。
そしてどうにかギリギリ間に合った感がある自分の世代よりも、投資において最大の武器である「長い時間」を持つ若い世代にこそこの新NISA制度は重要になってくる。
今後は衰退する一方の年金制度に代わるベーシックインカム的な意味で新NISA制度は必須になっていくだろう。

それほどまでに優れたNISA制度であるにもかかわらず、いまだにネットでは「NISAは政府が国民から金を掠め取るための陰謀ダー!」みたいな言説を見かけるが、こうなるともう住んでる世界が違うとしか言いようがない。
そう思うのは個人の自由。自分の道を進むがよし。

ちなみに自分のポートフォリオは、メインはS&P500と全世界株で半々、サテライトでNASDAQ100と将来の成長が見込めるインド株インデックス、そして日本企業にも頑張って欲しいのでTOPIXというラインナップ。
S&P500とオルカン同時持ちはアメリカの比重が高まるだけで無意味だ!とよく論争になりがちでその理屈もまあわかるが、自分は「気になるならどっちも持っとけ」という考え方。
もしどちらかだけに絞って将来もう一方にパフォーマンスで負けるようなことがあれば間違いなく後悔してしまうので、大切なお金を動かす以上理屈よりもメンタル重視が最も大事。

よく論争になるもう一つは「年始一括か毎月積み立てか」というところ。
統計では年始一括が有利であることは間違いなさそうなのだが、そうしたところで制度上は結局最短でも5年間(正確には4年)は分割になるわけで、自分はここもメンタル重視で年間の投入金額を決めたらそれを毎月積立てにした。
年始一括した後に暴落したらやっぱり凹みそうなので。
そして年始に一度設定したらあとは株価指数の動きにいちいち一喜一憂せずにほったらかし。
とはいってもその一喜一憂が楽しいのだが😅
基本は積立で、この先暴落した際に追加投入できる余裕があればここぞとばかりに臨機応変に随時投入していく。

開始早々幸先のいい出だしの新NISAだが、ここから先は近い将来必ず訪れるであろう大暴落の際に狼狽して振り落とされてしまう人も多いかもしれない。
しかしそこを乗り越えて持ち続けられるかの握力次第でその後の明暗がくっきり分かれてくるだろう。

ただしその先に本当に薔薇色の未来が待っているかどうかは誰にもわからない。
しかし今ここで行動せずにただ座して死を待つのみよりは、積極的に動くことで絶望的な老後に少しでも活路を見出したいのだ。