チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

うわぁぁぁぁぁぁ現象

↑このコラムを読んで。

いい人をやめて人間関係から距離を置き、感動の栄養分を流し込むーーー自分が4年前に東京を離れてこちらに来たのはまさしくこういうことなのかもしれない。

ただ違うのは、この文章のように特に「自分を傷つける人」がいてそこから離れたかったというわけではなく、全ては自分個人から生ずる自意識の問題ではあったが。

しかし、これによって、日に数回、何かの拍子にふと過去を思い出してうわぁぁぁぁぁぁと叫びながらのたうち回りたくなるのがなくなったのかというと、、、全然そんなことはないのね(;´Д`)

自分の人生を振り返って、楽しい思い出も沢山有るはずなんだけど、これを考え出すとそれらを全て差し置いてこれだけで頭が占領されて髪をかきむしってのたうち回って叫び出したくなるやつ。
こんな思い出数え上げたらキリがない。
あれからはもう逃れられないんだろうかね。

ところで誰にでも少なからずあるであろう(よね?)この現象に何か名前はついていないのかな。

「フラッシュバック」…が近いのかもしれないけれども、外因的なトラウマというよりはもっと自虐的な悔悟なんだよね。

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宮部みゆき『ソロモンの偽証』

以前はよく読んだが、最近は個人的に期待はずれのことが多いこの作家。

そんなわけでしばらくご無沙汰していたが、この作品は映画にもなったし、面白いと評判だったので期待して読んだ。

全3巻の長編だが、第1巻くらいではなるほどテンポもよく、これはかなり期待できそうかと思ったが、第2巻以降はやっぱりいつもの冗長さで、最後まで読み切るのが苦痛だった。

ストーリーも設定もリアリティのカケラもない上に、人物設定も大昔の少年ノベルのような喋り方と行動の中学生ばかりで、どうしても入り込むことができなかった。

残念ながらもうこの人の作品を読むことはないかな。

とはいえ元々は大好きな作家で、『蒲生邸事件』あたりは何度も読んだものだけど。

 

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第I部 事件

 

 

連合赤軍とオウム真理教

連合赤軍関連本を大体読み終わったので、次は個人的に歴史的連続性を感じるオウム真理教関連の所蔵本を引っ張り出してパラパラ読んでみた。

あれから20年以上経って改めて読むと、当時のオウムの情勢認識は、階級闘争史観と世界革命ゴリゴリ極左だった連合赤軍に比べたら意外にまとも。

ただそこから一気に陰謀史観や世紀末思想に突き進んでしまい、麻原彰晃の「予言」とやらがほとんどハズレているのは笑ってしまう。

そんなデタラメな「予言」を実力行使で実現させてしまおうとしたというのが、オウム事件の根幹だったのではないだろうか。

連合赤軍オウム真理教
共産主義と宗教という思想は違えど、結局は自己を誇大に評価した選民思想的ではた迷惑な「革命ごっこ」をしたかった、という共通点を改めて実感した次第。

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J☆Dee'Zに出会ってしまった。

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以前からリトグリ界隈で時折耳にすることがあった J☆Dee'Z(ジェイディーズ)。
気になってはいたもののこれまで聴いたことがなかったが、最近「あと一歩」という曲がYouTubeの「あなたへのおすすめ」に出てきたので、この機会にはじめて聴いてみた。


あと一歩 / J☆Dee’Z(ジェイディーズ)

え、なにこれ?めちゃめちゃいい曲なんですけどぉぉぉ!!!
驚いて何度か繰り返しリピートしてしまった。聴けば聴くほどいい!
曲もいい上にダンスも素晴らしくエキサイティングで、現役女子高生を動員したMVの出来も素晴らしく、その弾けるような青春の躍動感に年甲斐もなく感動して思わず不覚にも涙してしまった。
そして三人の歌もすごくいい!
冒頭のamiの「♪イェー伝えたいよキミに〜!」の一発でもう心を鷲掴みされてしまった。

他の曲はどうなんだろうと、YouTubeを片っ端からあさってみると、え、ちょっと待って、どれもこれも全部クッソいい曲ばかりなんですけど!!!


Melody / J☆Dee'Z(ジェイディーズ)

あまりの衝撃に呆然としつつ調べてみたら、あの欅坂46の名曲『二人セゾン』の作曲者でもあり、リトグリともとても関わりの深いSoulifeの二人がプロデューサー的立場として(?)楽曲提供と編曲演奏でほぼ全面的に携わっているではないか!
ああ…またしても俺はこの人たちにヤラれてしまった。

一般的にダンスユニットというと、どうしてもハウスやヒップホップ、あるいはEDM系なサウンドになりがちな気がするのだが、こちらはアコースティック主体の「どポップ」サウンドを貫いている所が非常に好感が持てるところ。
ナイル・ロジャースばりのSoulife佐々木氏のギターのカッティングもたまらない。

ライブでは常に全力で生歌にこだわるのも心震わされる。リトグリファンとの親和性が高いのもこの部分だろう。
しかも、メインボーカルがいるわけではなく、3人それぞれが歌とダンスを同じ比重でこなすのが凄い。
自分にとっても普段は関心外のダンスユニットなのに目に止まったのはこの部分。

おまけにそのダンスの振り付けはなんと欅坂46を手がけるTAKAHIRO氏が関わっているのか!
今の自分のお気に入り、リトグリ欅坂46という2つのグループとピッタリ重なるこの制作チームだけを見ても、J☆Dee'Zは自分にとって出会うべくして出会ってしまったと言うしかない。これは決して偶然ではない。


MORNING HOPE -Short Ver.- / J☆Dee'Z(ジェイディーズ)

そして、それより何より彼女たちの歌が三人三様の個性があり、それぞれ実に魅力的。
MOMOKAは最も女の子らしい伸びやかな声と透明なファルセット、Nonoはハスキーな声と独特な語尾の処理がコケティッシュで何度も聴いてみたくなる癖になる声、amiは端正なルックスに似つかない太い声の持ち主で、まだ荒削りながら個人的にとても将来性を感じる、、、といった所がそれぞれの第一印象。こんな感じで合ってるかな?
自分はまだ映像を見ないで音だけでは正確に3人の判別が付かないし、これから聴き込むとまた印象は変わってくるかもしれないので、その辺も楽しみのひとつ。

激しいダンスと乱れのない歌とハモリという二律背反的テーマに果敢に挑戦する、この16〜18歳の3人組ダンスボーカルユニットのひたむきな姿勢には心から共感するし全力で応援したい。それにしてもマイクを歯にぶつけたりしないものかと心配になる(^_^;)

これほどの実力派グループでしかも素晴らしい楽曲に恵まれているので、何かのきっかけで一気にブレイクする可能性は満載だと思う。

J☆Dee'Zのこれからの一挙手一投足を注目し、応援していきたいと思う。


伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ / J☆Dee'Z(ジェイディーズ)

スキーシーズン終了

ふじてんが今シーズン営業終了。
一週間延長してくれたものの最後の方は雪がなくなりやきもきしたが、色々な所から雪をかき集めてくれたのであろうスタッフの努力で週末まで営業できたのは凄い。
それなのに最後の週は1回しか行けなかったのが残念。

今シーズンは通った日数も36日と昨シーズンより減った上に、午後に来ることが多く中々朝イチのいいバーンを滑ることができなかった。
理想は、地元のオヤジたちのように毎朝散歩がてらにサッと来て混んできた頃にサッと帰るのが日課になること。
来年こそはそれが出来るように頑張ろう。
今シーズンもありがとうございました!(^O^)/

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桐野夏生『夜の谷を行く』

最近連合赤軍づいていたのでその流れでこちらも読んでみた。
連合赤軍幹部の手記などはこれまで色々読んできたが、山岳ベースから逃亡した生き残り女兵士という視点は今までになかったので新鮮だった。
フィクションではあるが、当時のリアルなエピソードが語られたり、その後の永田洋子の死や東日本大震災なども絡めて、個人的にはかなり興味深く読み進めることができて面白かった。
衝撃のラストもなかなか。 

夜の谷を行く

夜の谷を行く

 

 

欅坂46アニバーサリーライブ

昨年から色々な事がありすぎた欅坂46、不動のセンター平手不在の今は存続の危機に直面していると言っても過言ではない。まさにこのライブが正念場。

とはいえ正直言うと個人的には平手抜きの欅坂にはさほどの期待はなくて、「今までなかった珍しいものが観られる」くらいの気持ちで参加したのだが、始まってみれば、この危機的状況を乗り越えよう必死になりふり構わず髪を振り乱して踊り叫び、全身全霊でもがき苦しむ彼女たちの鬼気迫る姿に自然と涙が出ていた。まさかアイドルのライブで泣かされることになるとは思わなかった。
一番上の立見席だったので細かい表情などは読み取れなかったが、その気迫は痛いほど伝わってきた。
行く前は色々と迷ったが、奇跡的にチケットが取れてあの場にいることができて本当によかった。

中でもやはり『不協和音』の迫力と盛り上がりは尋常ではない。その場にはアイドルとファンという関係を遥かに超越した異常なエネルギーが生まれていた。まさに魔曲。

この欅坂46の独特なライブの世界ほど、是非とも映像作品として残してほしいものだが、中々出してもらえないんだな〜。この瞬間を永遠に残しておけないのは実にもったいない。円盤化を強く望みたい。

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大相撲春場所終わる

大相撲春場所鶴竜8場所ぶり4度目の優勝。
白鵬稀勢の里の2横綱不在の中、万全の調子でなかったにもかかわらず孤軍奮闘横綱の責任を果たしたのは立派。
ただ内容はイマイチだったね…。
 
優勝争いも含めて相撲内容もよく盛り上がった先場所に比べると、今場所は全体の相撲内容も叩きにバッタリ落ちる力士がやたらと多かったりと、もう一つ盛り上がりに欠く場所だった。
 
個人的には来場所の栃ノ心の大関獲りが今から楽しみ。
先場所優勝に引き続き今場所も素晴らしい相撲内容だった。
怪我を抱えているので心配だけど、苦労してきた人だけに是非上がって欲しい。

連合赤軍まつり終了

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自分の中で5年周期くらいで訪れる、手持ちの連合赤軍関連本を読みまくる「連合赤軍まつり」が、約2ヶ月かかって今回もようやく終了。
年を経るに従って毎回自分の中で感じることが少しずつ変化していくのが面白かったが、さすがに連合赤軍に興味を持って読みはじめて30年近くも経てば、それも固定されてきた気がする。

今回のハイライトは、今まで何度も読みかけては途中で放り出してしまっていた、森恒夫の『銃撃戦と粛清ー自己批判書全文』をどうにかこうにか最後まで読み切ったこと。
と言ってもとりあえず文字を追っただけで内容はほとんど頭には入ってこなかった。
赤軍派の彼は山岳ベース同志殺害で最も中心的な役割を果たし、逮捕から1年も経たずしてあっけなく自殺してしまったこともあり、逮捕後ほどない時期に書かれたこの「自己批判書」は、同志を死に追いやった自らの言動に対しての「自己批判」はするものの、総括の根本理論となった「共産主義化」や「革命戦争」を絶対的に正しいものとしている時点で、とても「総括」というには程遠い内容。

そもそも、当初の指導者がことごとく捕まり獄中に入ったことで、他の同志よりもほんの少しだけ活動期間が長かったり、大声でやたら小難しい言葉を並べて煙に巻く技術に長けていた彼が押し出されるように「指導者」の立場になっただけの話。

対する革命左派の永田洋子も同様で、そもそも組織が追い詰められて指導者の器ではない二人が手を結んだのが不幸の始まり。
そんな二人が閉鎖的状況の小さな世界で君臨し、同志を思いのままに吊し上げ糾弾し、「処刑」などという傲慢極まりない行為で他人の命すらもいとも簡単に左右できる絶対権力を持つに至った恐怖。

しかしそれは要因の一つでしかなく、根本的な原因は同志を「共産主義化」することで革命戦士として「指導」しようとしたこと、そこに至る「共産主義」という思想そのものにあったことがよくわかる。
全てを階級闘争史観で理解しようとする(これは我が国の歴史教育においても同様なのだが今は触れない)ばかりに世界情勢を見誤り、「革命戦争」こそが絶対正義として本気で信じ込んでいた彼らの姿は、今でこそあまりにも幼稚で噴飯もので滑稽とすら思えるが、中国で文化大革命が現在進行中だった当時は大真面目でそういう空気だったのだろう。
そして無邪気なほどに毛沢東を信奉して疑わない彼らの言葉により、その背後にあったものの正体が図らずも鮮明に浮かび上がってくる。
しかし共産主義を謳う国家からどんな小さな組織においても、歴史上ほぼ例外なく大規模粛清や虐殺行為が見られるわけで、そもそも共産主義という思想に潜む根本的な欠陥があると思わざるを得ない。

 そしてもう一つ忘れてならないのが、「正義」の暴走。
「正義」の恐ろしさは歳を経て最近特に強く思うようになった。

「正義」という価値観は絶対的なものではなく、それぞれの人の数だけ存在する。
よって、世の中の争い事のほとんどは、自らの「正義」の押し付け合いによって起こる。
ヒトラースターリン毛沢東ポルポトも、そして金正恩も、彼らの中では間違いなく「正義」だったのだ。

連合赤軍の彼らも、人一倍正義感の強い若者たちであったことは間違いない。
あたかも、健康マニアのことを冗談で「健康のためなら死んでもいい」などと揶揄されるように、彼らは「正義のためなら人を殺してもいい」ところまで行ってしまった。
その若者特有の正義感が、閉鎖された環境で暴走してしまうという構図は、オウム真理教事件と多くの共通点を持つように思う。
自分が連合赤軍オウム真理教に強く惹かれるのはこの点なんだと思う。
決して共感はできないけれど、どうしてここまで正義が暴走してしまうのかを知りたい。
永遠に答えの出ないテーマなのかもしれないが。

それにしても、普通は歳を重ねるに従って、前述したようなこの「正義」の青臭さと胡散臭さに気づいてくるものだと思うのだが、SNSなどを見ていると、いい歳こいた大人が自分を「絶対的正義」と信じて疑わず、安全な場所から他者を糾弾して悦に入る人があまりにも多い事に嫌でも気付かされる。

「正義」は危険なり。

 

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風林火山

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大河ドラマ風林火山』の再放送が終わった。
11年前の放映当時は最初の数話で脱落してしまったので今回初めて全話完走したのだが、実に面白かった!

何より内野聖陽はじめ役者陣の熱演と大森寿美男の好脚本により、昨今の生ぬるいスイーツ大河とは一線を画す骨太な物語だった。

特に千葉真一演じる板垣信方が迫力満点で印象深い。最近はこういう凄みのある役者がいなくなったな〜。

GACKT上杉政虎柴本幸由布姫は最初どうかと思ったが、いやいや、それぞれなかなか面白いキャスティングだった。
GACKTは人間離れした毘沙門天の化身としてはハマり役だし、柴本幸もいわゆる可愛い姫のイメージとは少し違ったエキセントリックな性格の新しいイメージの姫を好演していた。

単に骨太だけではなく、前田亜季演じるリツとのシーンなどはコント仕立てでほのぼの観られたし、その他にもちょこちょこ悪ノリするシーンもあり楽しめた。

来週からは『軍師官兵衛』か。
これも最初の方だけ見て脱落したが、しばらくして観てみたら面白くなっていたので、また最初から観てみたかった作品なので楽しみ。

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