先日、生まれてはじめて『競艇』というものに行ってきた。
とある競艇場が最近リニューアルして、めちゃめちゃ快適なスタンドがオープンしたという噂を聞き付け、早速どんなもんか行ってみたくなった。
駅に降り立ちバス乗り場を探すが、探すまでもなく、一目でそれと判る人たちが同じ方向へ向かってゆく。
途中、新聞の立ち売りのおねえさん達が何人かいたので、「どれにしよっかな~」と覗き込んでいると、「ウチは当るよ~」とおっしゃるおねえさんがいたので、「ほんと~?」と言いつつも「これも何かの縁」と思って、そのおねえさんの新聞を買った。
バスの中で早速新聞をひろげてみたが・・・なんぢゃこりゃ???
『ツケマイ』?『デカペラ』?『チルト』?『アシ』?『カド』?
なに語だよいったい・・・?
何の予備知識もなく行ったので専門用語がさっぱりわからない!
『逃げ』『マクリ』『差し』なんかは競馬でも使うのでまだわかるけど・・・(しかし競馬とは若干意味が違う!)
まあ競馬新聞をはじめて見た時もこんな感じだったかな? 勉強しなくっちゃ。
いよいよ競艇場に着いて、スタンドへと続く橋から下を見下ろすと、そこはコースの真上で、今まさにレースが始まるところだった。
ファンファーレが聞こえ、エンジン音が鳴り響いてきた。
みるみるうちにボートが近付いてきて、爆音を轟かせて次々とターンしてゆく! ここはターンマークの真上だった!!
おぉぉ~!これはすごい迫力だ!!!急いでスタンドに行こう!
なるほどきれいなスタンドだ。
平日の昼間ということもあってか、どこにでも好きなところに座れる。府中や中山と違って、席取りなんかしてる人もいない。
客層は・・・中央競馬がオヤジ6:若者4(うちギャル度1.5)、地方競馬がオヤジ8:若者2(うちギャル度0.3)とすると、
ここはオヤジ9.9:若者0.1(うちギャル度0.0000001)くらいかな?
しかし予想に反して、みんな静かに見てるね。競馬のようにゴール前グヮ~ン!という大歓声がない。みなさん非常に淡々としてらっしゃいます。なんかこれぞ「モノホンのギャンブラー」って雰囲気でいい感じだった。ヤジ飛ばそうにもエンジン音で聞こえないしね。
早速舟券を買いに行ったんだけど、マークカードが連勝単式(一着二着を着順通りに当てる)しかない! え、単勝とかはないの?(あとでわかったんだけど、単勝が買える売場は限られていた)
とりあえずわけもわからず買ってみたけど、そんなもんいい加減に買っても当るわけがない。これはハッキリ言ってむずかしい!
結局最後まで連単は一つも当らずじまい。勉強させていただきました。
そのまま静かに時間は最終レースまで流れていくと思われたが・・・。やっぱりいたいた!
レースが終わると、次のレースに出場する選手たちが、競馬でいうパドックや返し馬のように、一台づつ走りを見せる「展示航走」という儀式(?)があるんだけど、その時コースかぶりつきに陣取っていたおばさんが、やおら立ち上がり、ハンカチを振り乱して「ヒロシ~!がんばって~!!」と絶叫しはじめた!
面白そうなのでそばに行って話を聞いてると、「ヒロシはね~、最近○○が××だからダメなのよ~」と専門用語を駆使して独演会をはじめた。「でも、うん!今日はいい走りしてる!」と、どうやら舟券を買いにいったらしい。
レース前に戻ってきても、「ヒロシ~がんばってよ~」「ヒロシ~たのむよ~」「ヒロシ~・・・」ととどまるところを知らない。
いよいよファンファーレが鳴ると、すかさず立ち上がり、最前でハンカチを握りしめて仁王立ち。
競艇は選手が自分でスタートするコースを決めるんだけど、ヒロシはその争いに負けてアウトコースに入ってしまった。
「あー!!!もうヒロシ!!!!あんたなにやってんの~!!!!!」
しかしスタートが切られて目の前を通り過ぎる時には、やっぱりハンカチを振り乱して、
「ヒロシ~!行け~!!がんばれ~!!!」
そのままヒロシ~ヒロシ~と叫び続けてレースは終わった。
結果、ヒロシは・・・3着。
「ヒロシ・・・やっぱりインに入んないとダメよ~アンタは・・・○○が××だからねえ・・・」
と、それは延々と終わることはなかった。
なんだか、世の中にはまだまだ知らない世界がいっぱいあるんだなー、と改めて思った一日だった。
「只今場内に集団スリが潜入しています。お気を付け下さい」
なんてアナウンスが流れる恐い所なんだけどね(笑)
また行ってみよっと♪