チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

10月22日  -紳士競艇-

先日、生まれてはじめて『競艇』というものに行ってきた。

とある競艇場が最近リニューアルして、めちゃめちゃ快適なスタンドがオープンしたという噂を聞き付け、早速どんなもんか行ってみたくなった。

駅に降り立ちバス乗り場を探すが、探すまでもなく、一目でそれと判る人たちが同じ方向へ向かってゆく。

途中、新聞の立ち売りのおねえさん達が何人かいたので、「どれにしよっかな~」と覗き込んでいると、「ウチは当るよ~」とおっしゃるおねえさんがいたので、「ほんと~?」と言いつつも「これも何かの縁」と思って、そのおねえさんの新聞を買った。

バスの中で早速新聞をひろげてみたが・・・なんぢゃこりゃ???

『ツケマイ』?『デカペラ』?『チルト』?『アシ』?『カド』?

なに語だよいったい・・・?

何の予備知識もなく行ったので専門用語がさっぱりわからない!

『逃げ』『マクリ』『差し』なんかは競馬でも使うのでまだわかるけど・・・(しかし競馬とは若干意味が違う!)

まあ競馬新聞をはじめて見た時もこんな感じだったかな? 勉強しなくっちゃ。

いよいよ競艇場に着いて、スタンドへと続く橋から下を見下ろすと、そこはコースの真上で、今まさにレースが始まるところだった。

ファンファーレが聞こえ、エンジン音が鳴り響いてきた。

みるみるうちにボートが近付いてきて、爆音を轟かせて次々とターンしてゆく! ここはターンマークの真上だった!!

おぉぉ~!これはすごい迫力だ!!!急いでスタンドに行こう!

なるほどきれいなスタンドだ。

平日の昼間ということもあってか、どこにでも好きなところに座れる。府中や中山と違って、席取りなんかしてる人もいない。

客層は・・・中央競馬がオヤジ6:若者4(うちギャル度1.5)、地方競馬がオヤジ8:若者2(うちギャル度0.3)とすると、

ここはオヤジ9.9:若者0.1(うちギャル度0.0000001)くらいかな?

しかし予想に反して、みんな静かに見てるね。競馬のようにゴール前グヮ~ン!という大歓声がない。みなさん非常に淡々としてらっしゃいます。なんかこれぞ「モノホンのギャンブラー」って雰囲気でいい感じだった。ヤジ飛ばそうにもエンジン音で聞こえないしね。

早速舟券を買いに行ったんだけど、マークカードが連勝単式(一着二着を着順通りに当てる)しかない! え、単勝とかはないの?(あとでわかったんだけど、単勝が買える売場は限られていた)

とりあえずわけもわからず買ってみたけど、そんなもんいい加減に買っても当るわけがない。これはハッキリ言ってむずかしい!

結局最後まで連単は一つも当らずじまい。勉強させていただきました。

そのまま静かに時間は最終レースまで流れていくと思われたが・・・。やっぱりいたいた!

レースが終わると、次のレースに出場する選手たちが、競馬でいうパドックや返し馬のように、一台づつ走りを見せる「展示航走」という儀式(?)があるんだけど、その時コースかぶりつきに陣取っていたおばさんが、やおら立ち上がり、ハンカチを振り乱して「ヒロシ~!がんばって~!!」と絶叫しはじめた!

面白そうなのでそばに行って話を聞いてると、「ヒロシはね~、最近○○が××だからダメなのよ~」と専門用語を駆使して独演会をはじめた。「でも、うん!今日はいい走りしてる!」と、どうやら舟券を買いにいったらしい。

レース前に戻ってきても、「ヒロシ~がんばってよ~」「ヒロシ~たのむよ~」「ヒロシ~・・・」ととどまるところを知らない。

いよいよファンファーレが鳴ると、すかさず立ち上がり、最前でハンカチを握りしめて仁王立ち。

競艇は選手が自分でスタートするコースを決めるんだけど、ヒロシはその争いに負けてアウトコースに入ってしまった。

「あー!!!もうヒロシ!!!!あんたなにやってんの~!!!!!」

しかしスタートが切られて目の前を通り過ぎる時には、やっぱりハンカチを振り乱して、

「ヒロシ~!行け~!!がんばれ~!!!」

そのままヒロシ~ヒロシ~と叫び続けてレースは終わった。

結果、ヒロシは・・・3着。

「ヒロシ・・・やっぱりインに入んないとダメよ~アンタは・・・○○が××だからねえ・・・」

と、それは延々と終わることはなかった。

なんだか、世の中にはまだまだ知らない世界がいっぱいあるんだなー、と改めて思った一日だった。

「只今場内に集団スリが潜入しています。お気を付け下さい」

なんてアナウンスが流れる恐い所なんだけどね(笑)

また行ってみよっと♪

kyotei.jpg
尻穴貫通済み