チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

6月に読んだ本

坂の上の雲(二)~司馬遼太郎全集27~ 司馬遼太郎
日露戦争陸戦写真史 近現代史編纂会・平塚柾緒
日露戦争海戦写真史 近現代史編纂会・平塚柾緒
日露戦争の事典 原田勝正
ポルポト派の素顔 クリストフ・ペシュー
天狗風 宮部みゆき
花図鑑 樹木 草土出版

坂の上の雲(二)/司馬遼太郎
いよいよ日露戦争が始まる。日清戦争→三国干渉→日英同盟日露戦争という歴史の大きな流れすら頭に入っていなかった。これくらいは習ったような気もするんだけどね。 そして戦争の火ぶたは切って落とされ、旅順港閉塞作戦では広瀬中佐がのちに軍神となる。この辺りのくだりは戦前生まれの両親の世代は実によく知っている。今度ゆっくり話を聞いてみたい。
 広瀬中佐もそうだけど、もっと重要な人物、東郷平八郎児玉源太郎乃木希典、、、今まで名前は聞いたことがあっても、実際何をした人なのか、ほとんど知らなかった。何故なら僕たちの戦後教育では、これほどの国家の存亡を掛けた大事件がほとんど「なかったこと」のように素通りされてきたから。このことについてはまたいずれ。
 誰もが勝てるとは思っていなかった大国ロシアとの戦い。そんな綱渡りの戦いを支えたのは数々の奇跡もあったが、その奇跡にはしっかりとした戦略としての裏付けがあったことを忘れてはならない。しかし最も重要なのは前線で倒れた名も無い兵士たちである。これほどの尊い犠牲の上に現在の僕たちが生きている。
 物語は悲惨極まりない戦いだった旅順の陥落まで。いよいよクライマックスの奉天会戦日本海海戦へと続く。 星は五つでは足りない。
★★★★★+★★

日露戦争陸戦写真史・日露戦争海戦写真史/近現代史編纂会・平塚柾緒
日露戦争を写真で記録した貴重な本。「坂の上の雲」を読む時は常に手元に置いておきたい。物語が全て実際の写真で語られる。これはフィクションではない。このリアリティは凄まじい。写真だけではなく資料としても読み物としても秀逸。図書館で借りたんだけど、この本は自分の物としていずれ買って持っておきたい。
★★★★★

二百三高地(映画)/東映
日露戦争で死闘を繰り広げた旅順攻防戦をメインに描いた映画。公開された当時、軍国主義の賛美につながるとかの物議を醸したらしいのだが、どこから見ても反戦映画だよこれ。とにかく虫けらのように人が死んでゆくその描写が畳み掛けられる様が凄まじい。紛れもない大作。一度観ると非常に疲れて重~い気分になるけれど、また観たい。夏目雅子が恐ろしいくらいにキレイだよ。
★★★★★

日本海大海戦(映画)/東宝
こちらは日露戦争でも東郷平八郎率いる連合艦隊バルチック艦隊との日本海海戦をメインに描いた映画。三船敏郎東郷平八郎笠智衆乃木希典などキャストも素晴らしい。円谷英二の特撮もグー。
★★★★★