タイトルの通り、マルチ商法の世界にハマり込んでしまった主人公の物語。
実際に著者の経験に基づいて書かれたものだけあってその内容はリアルで恐ろしいものだった。
しかし自分はもともと友達も少ないし、まず基本的にその場の雰囲気に高揚したり特定の人物に心酔や同情するということが全くない非情な性格のせいか、これまで幸いこういう世界とは無縁で生きてこられた。
マルチとはちょっと違うが、過去にはラッセンだったかヒロヤマガタだったかの展示会に冷やかしで入り込んだこともあるけど、そこの綺麗なお姉さんには目を合わせても知らん顔されて誰からも声をかけられることのないまま出てきたし、よくある密室に閉じ込められて長い話を聴かされて高額商品を買わされるいわゆるSF商法と呼ばれるところにも何度も行ったことがあるが、毎回話だけ聴いて無料の食パンだけもらって帰っていたら露骨に嫌な顔をされて追い出されたこともある。
学生運動や新興宗教の集会にも面白半分で行ったことがあるが、ここでも同様に本だけもらって相手にされなかった。
まあたぶんあちらも人を見ていてハナから冷やかしとわかる客にはお引き取り頂くんだろうね。
だからといって安心していると痛い目に遭うと思っているので、もう今はこんなところに自分から足を突っ込むようなことはないが油断は禁物。警戒は怠らないようにしたい。