見ちゃった見ちゃった!モノホンの生タッキーだよ!!
もう去年の暮れからずっとね、生で見れるの楽しみにしてたんだよ。
タッキーってさ、久しぶりに現われた超スーパースターじゃない?
その彼がこないだ千葉の野外ステージにやってくるってんで、喜び勇んで見に行っちゃった!
噂を聞き付けて集まった数万(!)の観衆が、今か今かと固唾を飲んで待ち構える中、彼は現われた。
彼が姿を現わした瞬間、「おぉ…」とも「あぁ…」とも何ともつかぬ溜め息に辺りは包まれる。
悠然と姿を現わした彼は、スーパースターの名に恥じぬ堂々たる出で立ち。
まるで彼のための演出であるかのように、それまでどしゃぶりの雨だった空に一気に晴れ間が差し、スポットライトのような陽の光に栗色の髪の毛をキラキラと眩しく輝かせて歩く彼の一歩一歩を一瞬でも見逃すものかと注目する大観衆。
若々しく躍動する筋肉。
まるでビロードのような瑞々しい肌のツヤ。
男の俺が言うのもおかしいが、背中からヒップにかけての流れるようなボディラインはただただ『セクシー』の一語に尽きる。
これからのこの世界を一身に背負って立つであろうその肢体に送られる幾万という羨望と憧憬の眼差し。
そんな人々の思いを知ってか知らずか、気ままに歩いていた彼が、ふと立ち止まる。
そうして人々の視線を一身に集めておいて、彼はそこでおもむろに脱糞を始めた。
タッキーの脱糞ショーだ。
この予想外のサービスに騒然とする大観衆をよそに、彼は平然と脱糞を済ませ、また何事もなかったかのように歩き始めた。
やはりタダ者ではない。
ほのかに漂ってきた彼の身体から排泄されたその物体のにおいすらどこか香しく感じてしまう俺は、もう既に彼の虜になってしまっていたのだろうか。
そのあとのステージは正に彼のワンマンショーだった。
ほかの出演者など霞んでしまう程の彼のケタ違いのパフォーマンスに、数万の大観衆は改めて驚きを新たにし、彼の時代の到来に心から喝采の拍手を惜しまなかった。
俺はそんな彼を阿呆のように口を開いたまま見つめ、立ちすくみ、気がつけば彼の名前を噛み締めるように呟いていた。
すごいヤツだよ。