今年二度目の海に行って来たぜ。
前回は台風が通った翌日だったので波乗りまくりでエキサイティングだったが、今回は一転して穏やかな海で初日は為す術もなくひたすらぼんやりぷかぷかと浮いていた。
二日目の朝、漁港のあたりで海面の一部が妙なピンク色に変色しているのを見つけた。
「なんだこれ?」と思ったけどその時はあまり深く考えずにビーチに出かけた。
この日も相変わらず穏やかな海で、またぼんやりぷかぷかといった調子で午後を過ぎた。
ふと気がつくと、いつの間にか沖の方の海面にピンク色の長い帯が横たわっていた。
朝見た「あれ」だ。
そいつは蛇行しながらみるみる岸に近づいて来た。
ついには遊泳区域の中まで侵入してきて、好奇心のある海水浴客が大勢近くまで行ってはみな顔をしかめて戻ってくる。
ついにそいつは波打ち際まで到達した。たまたま岸に上がっていた俺も近くまで行ってみた。
・・・何だこれ??新手の生物化学兵器か???
何よりともかく、これ・・・とてつもなく臭い!!!!!
とてもじゃないがこれじゃ泳いでいられない。あれだけ賑わっていた海もあっという間に誰一人として泳いでいる人はいなくなった。
ライフセーバーに聞いてみると、
「赤潮です。地元の漁師さんも見た事ないくらいだそうです。」
こ、これがウワサの赤潮太郎か!!!
ニュース等では見た事あったけど、実際に見るのは生まれて初めてだ。
海の近くに住んでいる人にとってはよくある事かもしれないけれど、年に数回しか海を見る事のない自分にとってはどえらいカルチャーショックだった。
「海の男」への道はまだまだ遠い。
そして夜、暗くなってから海岸に出てみて我が目を疑った。
打ち寄せる波が蛍光ブルーに光って海岸一面に光の帯を作っていた。
なななな何だこれ!? こんなん初めて見たよ!!!
まるで大きな公園の「光の大噴水ショー」を見ているかのようで、あまりの美しさにただ茫然と見とれてしまった。
地元の食堂のおばちゃんに聞いてみると、赤潮の主な原因はヤコウチュウ(夜光虫)の大量発生なんだって。
なるほど、あの妖しい光はヤコウチュウによるものだったのか。納得。
赤潮はとにかく臭いし、漁業に影響を与える迷惑な物だけど、その反面、夜にはこんなにロマンチックな光景も見せてくれる。
どっちにしても、貴重な物を見る事ができた夏の終わりだった。
それにしてもあの「臭い」は、確実に脳細胞のどこかにしっかりと刻み込まれてしまった。
帰ってからもことあるごとにその臭いが鼻腔の奥に甦ってくる。
た~す~け~て~く~れ~。。。。。
浜辺のカップルに触手を伸ばす赤潮太郎
起~き~ろ~!!!