チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

10月に読んだ本

帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」関岡英之
危機に立つ日本―国難打破から未来創造へ大川 隆法


帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」
(2010/03/16)
関岡英之

商品詳細を見る

1930年代、満州ーモンゴルー東トルキスタンアフガニスタンへと連なる反共親日国家を樹立せんとする我が国の壮大な計画。

もしこれが実現していたらソ連中国を完全に包囲し、その後の歴史が大きく書き換えられていただろう。

ちなみにこれを二十一世紀に再び実現しようとしたのが麻生太郎の「自由と繁栄の弧」だろう。

しかしこれはそれを望まない勢力の猛反発を浴び、政権交代によって残念ながら潰されてしまった。

この当時の事を知るに付け感じるのが大川周明の存在の大きさ。

その頭脳とカリスマ性と存在感は戦後我々が想像するよりはるかに大きかっただろう。

東京裁判で発狂(偽装か?)し東条英機の頭を叩くあのシーンで「大日本帝国の『侵略戦争』はこのような狂人の指導のもと行われた」といういわゆる東京裁判史観を象徴させるエピソードを自ら演出してしまったが。

東トルキスタンアフガニスタンイスラム民族の重要性を早い段階から見抜いていた慧眼とそのスケールの大きな思想は現代でも十分に通用する。

そしてやはり痛感するのは諜報機関の重要性。現代日本にこの計画性はあるか?

敗戦後我が国は戦勝国が描いた東京裁判史観を全面的に受け入れる事と引き換えに経済的繁栄を手にしたわけだが、戦後65年が経過し急速に世界のパワーバランスが変化しつつある現在、改めて自らの手によってあの戦争を総括する必要がある。

今までのように「侵略戦争」の一言でで思考停止する事無く、もっとその先の功罪まで踏み込まなければならない。

あの戦争で我が国は一体何をしようとしていたのか、戦後封印されたその真実を外から押し付けられるのではなく日本国民の手によって再考しなければならないと痛切に思う。

それで初めて現在の世界の中で我が国がおかれている本質が見えてくる。

★★★★


危機に立つ日本―国難打破から未来創造へ危機に立つ日本―国難打破から未来創造へ
(2010/04)
大川 隆法

商品詳細を見る

まずはじめに断っておくが、自分は幸福の科学の信者でも何でもない。

宗教研究とウォッチングは大好きだが、自分がそれを信仰するかは全く別の話。

この本も、たまたま知り合った信者さんからいただいたものをずっと放ったらかしにしていたのだが、読む本がなくなってしまい仕方なく手に取っただけの事。

しかしいざ読んでみて驚いた。

この本が書かれたのは去年の総選挙で民主党が大勝して政権交代がなされた直後。

世の中は浮かれたムードで、あらゆるメディアが民主党マンセーを打ち出していたその時期に、民主党政権の危険性を指摘し、現在のこの国益を損ないまくり急速に滅んで行こうとするこの日本を的確に予測している。

もちろん当時からその危険性を訴える人は大勢いたし、自分も微力ながらここでそれを訴えてきたつもりだが、その声は当時の浮かれ切ったムードの中で黙殺されてしまっていた。

実は選挙当時のネットの「あなたにピッタリな政党は?」みたいなサイトを遊び半分で試してみたら、「あなたにピッタリな政党は…幸福実現党です!」なんて結果が出てしまいw焦ってしまったくらい、政治的主張は自分もとても共感できる所があった。

しかしよかったのはそこまでで、本の後半、「幸福実現党が過去に主張してきたことには一点の誤りもありません。」という書き出しで始まる章から一転する。

ここからは完全に信者向け。

いい事言っているのに所詮はやっぱり宗教か、とがっかりする。

ここから先は読む価値無し。

★★★★