あの上祐が麻原彰晃とオウム真理教と事件そしてその後を当事者でしか知り得ない事実を元にかなり踏み込んで語る。
かつての師麻原に関しての側近であったからこその辛辣な考察は十分に説得力がありやはり頭の良い人物だと再認識した。
かなり深いところまで語っているが、しかしやはり彼が教団の凶悪犯罪を不思議と巧みにすり抜けてきていたことは謎だ。
これは彼自身も不思議に思っているようだがやはり謎として残る。
教団の起こした事件についてはまだまだ謎も多く、ロシアや北朝鮮が絡んだ壮大な陰謀論なども囁かれるが、実際内部にいた彼が語るにはその事実は全くあり得ないとのこと。
あれほどの大事件になってしまった理由としてはやはり「教祖を信じたい」という信者の気持ちとマハームドラーという「グルの与える試練を乗り越える」教えが結びつき、更に麻原の人格障害に起因した「グルへの絶対的な帰依のためには殺人すら厭わない」という極端なヴァジラヤーナが閉鎖された空間で急激に膨れ上がり起こってしまったというところが結論か。
映画がなかなか面白かったので読んでみたが、なんだ、原作のほうが映画の何倍も面白いではないか!
辞書の編纂という地味なテーマをここまで感動的に面白く書ける著者の才能はすごい。
TVドラマがなかなか面白かったので原作に手を出してみた。
と思ったらこれはシリーズ3作目だったようだ。
しかし特に問題もなく読み進められた。
やっぱり映像を先に観てしまうと行天は松田龍平しか目に浮かばない…。