西加奈子『漁港の肉子ちゃん』
『円卓』が面白かったのでこちらも読んでみた。
例によって口に出して朗読したくなるテンポの良い文章に、独特の言葉遣い、いつまでも読んでいたい魅力的な登場人物、そしてこのインパクトのあるタイトル!
全てが素晴らしかった。近年読んだ小説では一番の面白さ。
西加奈子、また好きな作家ができた。他の作品ももっと読みたい。
西加奈子3冊目。
冒頭から冴えない男と女の物語が平行して進むが、どちらもあまりにも救いがなく読んでいてつらい。
どこかでこの二人が交わってそこから物語が動き出すと信じて我慢して読み進めたが、最後までそんな調子で残念ながらこれは自分には合わなかった。
浅田次郎『獅子吼』
久しぶりの浅田次郎。
相変わらず安定の浅田節の短編集だが、かつての名作群と比較するともう一つパンチに欠けて食い足りなかった。
中では『流離人』がよかった。
百田尚樹『大放言』
我が身に置き換えて耳の痛い事もあったり「何を今更」な内容もあったが、言っていることは至極ごもっともな事ばかりで、殊更「大放言」って程でもなかった。
まあこれまであまり大っぴらに言えなかったようなこういう本がベストセラーになったことに意義があるという感じかな。
奥田英朗『向田理髪店』
北海道の過疎の町で起こる物語。
この人の作品は序盤は重苦しくても我慢して読めば終盤で大きな展開が来る作品が多いので、これもそうかと思ったら、最後までそのままだった。
好きな作家だが残念ながらこの作品は自分には全く響くものがなかった。