チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

Macbook Pro 開腹記

齢八十にしてMacを操りインターネットを駆使し、読んだ本やスポーツや政治など多岐に渡る分野で、日々思うことを毎日文章にして定期的にそれをまとめて本にして送ってくれる父。

そんな父が使用しているのが、以前自分が使っていたMacBookPro。

そのMacBookProの調子が悪く、どうも重いという報告を受けたのが数ヶ月前のこと。

購入してから5年経っているのでそろそろガタが出てきてもおかしくはないが、できることならまだまだ現役で頑張って欲しいところ。

正月に実家に帰った時に実際に触ってみると、何か作業をするたびにレインボーカーソルが回る状態。これでは文章入力にもかなりのストレスだろう。

しかしHDDにも余裕があるしメモリも増設している。

原因がわからないので、とりあえずは何か作業をするときは使うアプリ以外は終了させる事と、お約束のPRAMクリアなどでお茶を濁し、万が一に備えて外付けHDDを送ってバックアップだけは取っておいてもらった。

しかしその後も状況は改善するどころかさらに悪化の一途をたどり、2月に入ってついに起動画面のまま進まなくなってしまったと報告がきた。

事ここに至れば如何ともしがたいので、Apple Storeに持って行って診てもらうと、どうやらバッテリーが劣化し自動的にハード側で処理速度を抑えるモードに入ってしまっているらしい。

それに加えて内蔵HDDにも不良箇所があるとのこと。

しかし購入してから5年が経過しているのでAppleでは修理も受け付けられないとのこと。

なんてこった!このMacBookを買ったのは2011年12月なので、たったの1ヶ月過ぎたばかりではないか!

とりあえずは持ち帰ってもらい、新しいのに買い換えるしかないのか、と思い悩んでいたら、数日後、ついに電源すら入らなくなってしまったとの連絡。

こうなったらもう買い換えしかないが、待てよ、どうせ買い換えるならその前にバッテリーとHDDなら自分で交換できるのではないか、と考えた。事実、機種は違うが以前自分でやった経験はある。

交換したからといってよくなる保証はないが、ダメモトでやってみようと思い、本体を送ってもらった。

バッテリーもHDDもどちらも約6000円。合わせて12000円で取り寄せたが、修理に出すと数万円、買い替えなら10万円なので、これでもし治れば安上がりでしめたもん。

早速開腹してみる。作業自体は何の難しいこともなく数分で進んだが、HDDを取り外すのにT6トルクスドライバーという特殊な工具が必要なことが判明。いや、実は知っていたのだが、持っていると勘違いしていたものと違って合わなかった。

近所のホームセンターに行ったが置いてないので仕方なくネット注文。一週間以内で作業完了して送り返そうと思っていたのだがここで2日のロス。

無事に工具が届き、換装作業はあっさり簡単に終了。こんなに簡単なら今後もいつでもできる。

IMG_1920.jpg

しかしここからが苦難の始まり。

新しいHDDにmacOSをインストールしなければならないのだが、購入した時に付属していたインストール用のDVDがどこを探しても見つからない。

調べてみると、USBメモリやSDカードなどの外部ストレージにOSインストーラーをダウンロードして、そこから起動させ内蔵HDDにOSをインストールすることができるらしい。

SDカードにインストーラーを作るにあたっては DiskMaker というフリーソフトを使用。

折角なら今までの10.9 Mavericksから一気に3段階アップの最新10.12 Sierraにしてあげよう。

App StoreからSierraをダウンロードし、SDカードから起動させると無事にインストーラーが立ち上がる。

ディスクユーティリティでHDDを初期化し、いざインストールスタート。

順調にインストールが進行しているように思えたが、残りあとわずかというところで

インストーラペイロードの署名を確認できませんでした」

とアラートが出て終了。

わけが分からずやり直したが、何度やっても同じ所で同じアラート。

もしかしてSierraに問題があるのかと思い、前のバージョンのEl CapitanやYosemiteも試してみたが、こちらも

「このインストールアプリケーションを検証できません。ダウンロード中に破損したか不正に変更された可能性があります」

との表示が出てインストールが完了しない。

ダウンロード中に破損とのことなので、OSのダウンロードからやり直したがやはりダメ。何度も何度もダウンロードを繰り返してもやはりダメ。

この作業だけで数日経過。

しまいには抜き差しを繰り返していたSDカードが割れて破損してしまう事態まで発生。

正直ここで心が折れかけた。

HDDを交換したところでOSがインストールできないのではどうしようもない。

一晩頭を冷やしてもう一度ネットにあたってみると、インストールが失敗するのには、Mac上の日付と時刻が関連しているとの情報を見つけた。どうやら時刻が過去に戻っていると新しいOSは認識できないようだ。

しかし環境設定で時刻を修正しようにも、そもそもまっさらのHDDにインストールしようとしているわけで、時刻の設定ができない。

ここでもまた困り果ててしまったが、さらに調べてみるともしかすると「ターミナル」を使えば設定ができるかもしれないとのこと。

ターミナルか…、存在は知っていたが今まで触れないようにしていた部分。しかしこの際そんなことは言ってられない。

幸い、インストーラーの中にターミナルも入っていた。

ここを開いて、即席の知識で見よう見まねで入力すると…

おお!時刻が変わった!!!

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どうやら2001年まで戻ってしまっていたようだった。

時刻設定を終えて、改めて祈る気持ちでインストールをしてみると、

やった!!!

ついにインストール成功!!!!!

Sierraの画面が立ち上がった時の感動は一言では言い表せないものだった。

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長い道のりだった。

結局預かってから10日ほどかかってしまったが、無事きれいな身体になったMacBook Proを父に返すことができた。

壊れてしまう直前に滑り込みで届けた外付けHDDにセーブしてあった(やっておいて本当に良かった!)Time Machineからデータの復元も無事できたようだ。

HDDとバッテリーを交換したのでまっさらな新品同様。これからまだ5年は大丈夫!

今後もまた父の手足となって働いておくれ。