チェリーの音楽幕府

音楽の話題が多いと見せかけてそうでもない

平昌五輪女子フィギュア

平昌五輪女子フィギュア。ザギトワとメドベージェワの熾烈な金メダル争い、素晴らしかった。
結果はザギトワの僅差の勝利だったが、個人的に印象的だったのはメドベージェワの演技後のあふれて止まらない涙。彼女のこんな涙は初めて見た。
これまで絶対女王として君臨し、常に完璧な演技をしてきた彼女だったが、五輪直前に怪我をし、出場が危ぶまれる中でも復帰しを果たした舞台で流したあらゆる万感のこもった涙。
ザギトワは常に一緒に練習する同僚なだけに、どれほどの得点を出すかは当然わかっていたはず。
ひたひたと急速に迫りくる後輩を感じながらも、無念の怪我で思うような練習もできない焦りもあったことだろう。
ここに至るまでにどれほどの夢を持ち、どれほどのプレッシャーがあったことか。それを思うと、この涙に込められた様々な意味に、観ているこちらも思わずグッときてしまった。
そんな故障明けの状態の中でのショートもフリーも、彼女らしい観るものの心を打つ素晴らしい演技だった。

一方のザギトワの急成長は驚異的だった。
ジュニア時代からルックスはパーフェクトだったけど、スケートはどちらかと言うとツルスカヤに次ぐ2番手くらいのポジションなのかな、という印象だったが、シニアに上がるくらいからの爆発的な急成長は目をみはった。
今後はロシア女子選手に必ず見られる10代後半の成長期の大失速が心配だけど、これほどの技術を持っていればしばらくはこの二人のライバル闘いが見られそう。
しかしロシアにはまだまだジュニアに4回転を飛ぶトゥルソワをはじめとんでもない選手がうじゃうじゃ控えている。
当分はロシアの天下が続くだろう。おそロシア
しかしロシアっ娘好きの自分には願ってもない嬉しい時代。これからまだまだ女子フィギュアは楽しみが続く。

そして宮原さんも坂本さんも二人とも最高の演技で素晴らしかった!
上位勢は異次元の得点なのでこの順位は仕方ないが、宮原さんはとことん痛い目にあった回転不足をこの短い期間でよく克服できた。故障してからここに至るまでには並大抵でない努力があったことだろう。
坂本ちゃんもこの大舞台に動じないのびのびした演技で、十分に力を出し切ってくれた。

結果は大体予想通り。ということはそれぞれが充分に力を出し切ったということで、本当に素晴らしく大満足の女子フィギュアでした。

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羽生結弦に神の舞を見た

その時平昌の氷上に確かに神が舞い降りた。

羽生結弦の金メダルの演技にただただ息を呑んだ。

思えば数ヶ月前、TVで何度も執拗に繰り返し流された怪我のシーンには目を背けたかった。あの時は正直五輪は出場すら難しいのではないかと暗雲が立ち込めた。

それが信じられないような復活の金メダル、そして宇野昌磨が銀メダルと絵に描いたような結末。
思わず身震いするような歴史的瞬間だった。

何より驚いたのが技のキレと完成度が素人目に故障前を上回っているように見えたこと。
今季序盤は高難度ジャンプにこだわるあまり、他の部分にも影響して細かいミスが出ていたが、五輪本番では怪我の原因にもなった4回転ルッツを回避してその他の完成度を上げることでより完ぺきな演技を目指しているように見えた。
これが五輪という大舞台で確実に勝つのに功を奏した。

大怪我で空いてしまったブランク明けに五輪という大舞台でこの結果を出す彼の精神力は凄まじい。

そして宇野くんも、フリー最終滑走という大きなプレッシャーをはねのけ、実力をいかんなく発揮した素晴らしい演技。技術点では羽生くんを上回っていた。
いよいよ背中が手の届くところまで見えてきた。

羽生くんと苦楽を共にするフェルナンデスも、フリーでは残念なミスが出たが、特にショートの演技は素晴らしかった。

更に驚異的だったのはネーサン・チェン。
五輪では羽生の最大のライバルと目されていた彼だが、ショートではまさかの失敗の連続。それが一転してフリーでは4回転ジャンプを6回挑戦して5回成功。テクニカル127点は驚異的。
やはり今後の男子フィギュアを引っ張っていく存在であることには変わりない。

生涯忘れられない歴史に残る名勝負を目の当たりにすることができた。

 

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Little Glee Monster 横浜アリーナ

リトグリアリーナツアー初日の横浜アリーナに行ってきた。

まず座席に行ってみて驚いた。あの広い横浜アリーナで前から10列目台、おまけに前は通路、そして客席にせり出したサブステージの真横なので、サブステージからしたら最前列というありえないような神席。

こんな神席に座って期待が高まる中、開演前に事前に告知のあった「Love To The World」を1万人で歌おう企画。さすがリトグリを観に来るようなお客さんだけあってみんな息が合って主旋とハモリパートとのバランスもほどよく、横浜アリーナの会場に一体感が生まれたところでおもむろにコーラスが鳴り響き照明ドーンでリトグリ登場!

その後はもう圧巻の連続のあっという間の2時間半。
リトグリのライブはこれで4度目になるが、今回はこれまでのような「感動」という生易しい言葉ではなく、「衝撃」だった。
5人の声が揃ったハーモニーの音圧を全身に浴びる快感がリトグリのライブの最高の幸せなのだが、今回はとにかく5人のメンバーのそれぞれの歌の進化が凄まじく、それが合わさって一つになった脳の髄まで震わせ響き渡るその音圧たるやこれまでの比ではなかった。

圧倒的な演奏力のバンドが生み出す鉄壁のサウンドとグルーヴがリトグリの歌をガッチリと支えているので、彼女たちも安心して歌うことが出来るのだろう。
その上特筆すべきは音響の良さ。少なくとも自分の席では歌とバンドのバランスと音量が素晴らしく、それぞれのコーラスパートや楽器の一つ一つまで鮮明に聴き取ることができてとても心地よかった。

そして今回の白眉は中盤のアコースティックコーナーと後半のモータウンメドレー。
アコースティックコーナーでは『私らしく生きてみたい』ボサノヴァアレンジにシビれた。アレンジが変わることで歌い回しや声の出し方もそれに合わせてしっかり変化させていて、全く別の曲に生まれ変わっていた。
特に感じるのは息の効果的な使い方とフレーズの語尾の処理の仕方。余韻を残した息の抜き方など5人とも非常に巧みな処理をしていて、格段の進化が見られた。
キャロル・キングの『You've Got a Friend』のカヴァーにも驚いた。この辺はmanakaの選曲かな?

そしてミラーボールが回り始めておっさんガオラー待ってましたのモータウンメドレー!
最近のシングル表題曲がJ-Pop寄りなのにやや寂しい思いを抱いているおっさんおばさんが、泣いて喜ぶような圧巻のメドレーだった。
「私達のルーツはこれです。忘れてないよ!」というリトグリからの熱いメッセージを受け取ることができた気がして、もう充分に満足。これからも楽しみにしています。

アンコールでは客席に降りたmanakaとアサヒが目の前を通るというサプライズもあり、それも嬉しかった。タッチもできたし(;゚∀゚)=3

今回のアリーナツアーでは、5人のメンバーそれぞれの歌の驚異的な進化と、新たな繊細な表現力をも手に入れ、間違いなくリトグリの新たな地平を切り開いたと言う事が出来るだろう。
一体どこまで行くのだろう、このモンスターたちは。

来月の大阪城ホールも、、、行きたくなってしまうではないか…。

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相撲協会の対立を煽るメディア

もちろん相撲協会に存在する悪しき体質は時代に応じて改善すべきだと思う。
 
そして貴乃花親方の言うことは正しい。いや、正しすぎる。
現役時代の相撲ぶりや土俵態度も誠に立派なものだった。
 
しかし彼の現役時代後半から引退後のTVの解説などでずっと感じる「あれ、この人ちょっと普通じゃないな、危なっかしいな」というそこはかとない直感も、あながち切り捨てるのは危険な気もする。
協会内で近くで見ている人や、長く相撲を観ているファンほど、この感覚は多かれ少なかれどこかしら持っているのではないか。
この度の対立の底にはこんなところが働いているように思う。
 
要するに、どちらが正義でどちらが悪かという善悪二元論的な単純な構図ではないということ。
メディアがそれを煽り立てれば煽り立てるほど対立の溝は深まっていくばかり。
 
今回の理事選で「貴乃花落選!」とやたらと騒ぎ立てるのもどうかしている。自分のグループからは阿武松親方を送り込んでいるので、そんなことは織り込み済みの行動だったはず。
 
個人的には急進的過ぎて敵が多く融通の利かない貴乃花親方よりは、柔軟で人当たりのいい阿武松親方が理事になって結果的にはよかったと思う。ここから改革の緒になれば、と自分は願っている。
貴乃花親方も、とりあえずは世間に相撲協会の闇を伝えるというある程度の目的は達成できた。
これをきっかけにさらなる改革を進めるために、今後もしっかりと阿武松親方を支えていって欲しいと思う。

SONY MDR-CD900ST断線につきヘッドバンド交換


愛用のヘッドホン(SONY MDR-CD900ST)が断線し片耳が聴こえなくなってしまった。
すぐに必要なものなので慌てて新しいのを買ってしまったが、調べてみるとパーツを取り寄せれば自分で修理できそうだったので、今後のスペア用に試してみた。

断線の場合ほとんどが頭にかける部分のヘッドバンドが原因だということで、この部分を丸ごと交換。
イヤーパッドを外して左耳と右耳を結ぶ線を取り外し、同じように配線していくだけ。意外に簡単だった。
これなら更にもう一つもう一つ同じ箇所が壊れているやつも直せそうだ。直してメルカリで1万円くらいで売るかΨ(`∀´)Ψ

それにしても滅多にしないハンダ付け作業をすると、中学生の頃技術の実習で一生懸命作った完成したばかりの提出前のラジオを、イジメっ子に階段から投げ落とされて破壊された記憶が蘇ってくる。
俺はラジオっ子だったから楽しみにしてたんだぞぐぬやろめヽ(`Д´)ノ

 

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右耳部分

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左耳部分

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この部分のネジを外すとヘッドバンドが外れる

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ここから線を引き抜き、あとは同様に這わせてハンダ付けするだけ






 

大相撲初場所

大相撲初場所。栃ノ心初優勝!
 
今場所は熱戦続きでみんなそれぞれ存分に力を出し切り、最後は個人的に大好きな栃ノ心の感動的な初優勝と非常に盛り上がり、近年では最も面白い場所になった。
 
最近見受けられた観ていて不愉快になるような相撲や土俵態度もなく、純粋に土俵の上の取組を楽しむことができた最高の場所だった。
 
去年から相撲界はいろいろと騒がしいことが多く、実は今場所は観るのをどうしようかと迷ったのだが、諦めずに観ていて本当によかった。
 
とにかく力士の皆さんの、土俵外の雑音に負けず真摯に相撲に取り組む姿に心打たれた。
 
長く相撲を観ているいちファンとしては、正直土俵外の騒ぎには興味なく、土俵の上でいい取組が観られればそれでいい。
 
改めてやっぱり相撲は面白いと伝えてくれたのが、今場所の力士たちの真剣に土俵に打ち込む姿だった。
これからも益々の熱戦を期待したい。
 

Little Glee Monster 3rdアルバム『juice』のライブDVDを観て

リトグリ3rdアルバム『juice』のライブDVDが凄すぎて何度も繰り返し観ている。

武道館の時のもあまりの素晴らしさに感動したが、今回のは、メンバーそれぞれの歌を人に伝える上でのテクニック、見せ方など、あらゆる面でそれを格段に上回っている。
メンバーが1人減って5人編成になった分、一人ひとりの技量や表現力が観るものにダイレクトに伝わるようになった。武道館から今回収録の横浜公演まで、その間メンバーの脱退に伴うパート割り直しを経ながらわずか8ヶ月でこの進化は驚異的だ。

特にジャズセッションでの各メンバースキャットの掛け合いの進化ときたらどうだ!
他にも例えばリトグリ独特の、曲中でメインパートを歌って激しくシャウトした次の瞬間には繊細なウーアーコーラスパートに瞬時にチェンジできるといった声の出し入れの驚異的なテクニックも映像とともに存分に堪能できる。

これを観て、やはりリトグリの真骨頂はライブにあり、という思いを更に強くした。
観るたびに異次元の進化を遂げていくリトグリ
是非多くの人にこの素晴らしさが広く伝わりますように。

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juice(初回生産限定盤)(DVD付)

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Little Glee Monster 3rdアルバム『juice』を聴いて

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リトグリ待望の3rdアルバム『juice』がついにリリースされた。

収録曲を眺めてみるとほとんどが何らかの形での既発曲で、まっさらの新曲は2曲だけ。
なので正直、ファンにとっては新鮮味には欠けるかな?と思っていたが、実際にアタマから曲順通りに聴いてみると、緩急織り交ぜながらベスト盤と言ってもいいほどのクオリティの高いあらゆるジャンルの曲が次から次へとやってきて、疾走感溢れる流れの絶妙の曲順。
それによって新曲はもちろん、さんざん聴き込んだはずの既発曲の良さにも改めて気づかされる。

リトグリを毎日聴いているファンでさえこうなのだから、このアルバムで初めてリトグリに触れる人はインパクトの連続でかなりビックリするのではないか。
最近はアルバムを曲順通りに聴くという慣習は薄れているかもしれないが、是非ともよく考え抜かれたこの曲順通りに聴いてみることをお勧めしたい。

そしてアルバム全体の印象だが、以前にも再三指摘している5人体制になってそれまでと質感が変化した若々しくハリの有る硬質なハーモニーが、更に進化を遂げている。
そしてメンバー個々の歌唱力とパワーが格段に成長しているので、それぞれの個性がぶつかり合ってそこに何とも言えない溌剌とした新たなエネルギーが生まれている。

中でも今回初出しの新曲『Love To The World』『Get Down』。
2曲とも最高じゃないか!こういう曲を待っていた!

『Love To The World』のどアタマが『Power To The People』っぽい。
タイトルも似てるし明らかにオマージュだろう。
ジョン・レノン命のmanakaもこれには喜んだことだろう。
ラストのYeah Yeah Oh〜コーラスがまたタマランのだなこれが。グッとくる。

そして『Get Down』はイントロのエレピのフレーズとハンドクラップからもう自然に体が動き出してしまう。
リズムといいシンセの音色といいメロディとコーラスの絡みといいモロに80年代洋楽テイスト満載で我々おっさん世代にはモータマラン(;゚∀゚)=3

やはりリトグリは70-80'sテイストの黒っぽいサウンドが一番本領を発揮する。
シングル表題曲はどうしてもJ-POPに寄せてしまうのは、戦略上仕方ないとわかってはいてもやや物足りなく感じているおっさんは、こういう曲一発でイチコロになってしまうのです。
これぞまさにおっさんホイホイ

そして昨年秋ツアーのOPとED曲が待望の音源化。
劇的に変化していく壮大なミュージカル的構成が感動的。
いつかリトグリの生バンドを従えたミュージカルを観たいと強く思う。

あとは中島みゆきのカヴァー『糸』の寄せては返すように張り巡らされたコーラスアレンジが素晴らしい。
どこかクリスマス風アレンジのこの曲を聴いて、今年は是非リトグリのクリスマスアルバムを聴いてみたいと思った。

一つ残念だったのは、『好きだ』のリメイクバージョン。
新規向けに5人編成で紅白披露曲を、という意図は十分理解できるのだが、折角ならば前作のスタジオライブバージョンのようにアレンジも一新してほしかったところ。
若干の楽器の差し替えとリミックスは為されているようだが、いかんせんカラオケを聴かされている感は否めなかった。
メンバー個々の歌の表現力は発表当時から格段に進化しているだけに余計にやや残念。

とは言っても不満点はこれくらいで、あとは5人の急激な成長を感じることができ、楽曲もクオリティの高い作品ばかりで、とにかく歌のパワーがビシビシと伝わってくる名盤だ。
今後長らく愛聴することになるだろう。

このアルバムを引っさげてのアリーナツアーが楽しみでならない。

あけましておめでとうございます。

早いものでこちらに住み始めて4年目に入った。

こちらの生活にもすっかり慣れて、もうどこにも行きたくない。本当にいい所。

あとはこれからの残された人生、できるだけ静かにひっそりと、穏やかに、無駄なものを省いて、この世に未練や執着なく、自分の痕跡を残さず、他人に迷惑をかける事なく、明るく楽しく、最期は「ああ面白かった」と感謝して終わりたいものです。

2018年。今年も少しずつその準備を進めています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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フィギュア全日本女子

フィギュア全日本女子は宮原さん優勝。負傷明けの今期初戦の頃はどうなることかと思ったが、よくぞここまで戻してきたのは本当に凄いの一言。さすがの第一人者。文句なし。あと課題はジャンプの高さだけかな。

2位にはなんと坂本さん!昨季から今季にかけての急成長と安定ぶりは凄かったし、既にスケートアメリカで210点台を叩き出していたので終わってみれば当然の結果ではあるのだけれど、シニア1年目にしてよくぞこの緊張する大舞台でその力を発揮できたと思う。五輪代表はまず確定かな?

今季の坂本っちゃんは安定感もあるし、とにかくジャンプの質がいいので回転不足を取られることが少ないし、まだまだ急成長が見込めるのでひょっとすると五輪のダークホースになるかも。ソチの時のソトニコワ的雰囲気さえ感じる。フリーのプログラムもいいので楽しみ。

3位にはジュニアの紀平さん。浅田真央以来のトリプルアクセルを3回飛ぶ快挙。年齢制限で五輪には出られないのもまるで真央ちゃんのよう。次代を担うホープは間違いなくこの人だろう。

その他の選手、特に樋口さん、三原さん、本郷さん、真凛ちゃんも得点は及ばなかったけれど本当によく頑張った。みんないい演技でした。ありがとう。

www.nikkansports.com