峠・下 | 司馬遼太郎 |
ローカル私鉄車両20年・東日本編 西日本編 |
寺田裕一 |
図説・幕末志士199 | 歴史群像シリーズ |
レベル7 | 宮部みゆき |
峠/司馬遼太郎
時は幕末、一藩士から長岡藩家老へと登り詰めた河井継之助の物語。人並外れた実行力と決断力、先を見る目と軍事的政治的策謀、まさしく「非常時のリーダー」である。平時にはかえって物事を引っ掻き回すトラブルメーカーにしかならないだろうが、非常時にこそ力を発揮する。幕末にはこういう人物が数多く世に出ることができた時代だと思う。実際に行った政策も、この本では比較的好意的に描かれてはいるが、敵も多く作った上に多くの犠牲を出し賛否両論のようだ。こんな人物が実際にそばにいたら正直息苦しいだろうとも思う。現実にそばにいて引っ掻き回された人々はたまったもんではなかっただろう。とはいえお話としては後の世では埋没させられた幕末と言う時代の中で官軍に抵抗した側の人々の側面が記されておりとても面白かった。これが原作の一つでもある大河ドラマ『花神』で、ゲラゲラ笑いながらガトリング砲をぶっ放す高橋英樹の怪演が印象的。
★★★★